1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンH_3受容体をターゲットとした創薬:喘息,痴呆の制御をめざして
Project/Area Number |
05557008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 謙一 東北大学, 医学部, 助手 (90239559)
谷内 一彦 東北大学, 医学部, 助教授 (50192787)
一ノ瀬 正和 東北大学, 医学部, 助手 (80223105)
小野寺 憲治 東北大学, 歯学部, 講師 (40133988)
前山 一隆 愛媛大学, 医学部, 教授 (00157158)
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Keywords | ヒスタミンH_3受容体 / 喘息 / 痴呆 / 痙攣 |
Research Abstract |
1.H3受容体リガンドの学習・記憶能に及ぼす影響 老化促進モデルマウス(SAM)を用いて、シャトルボックス法で学習・記憶能を評価した。異常老化系(P/8)は、正常老化系(R/1)に比して、学習獲得が遅かったが、H3アンタゴニスト、チオペラミドの投与で、R/1マウスと同じレベルまで改善した。しかし、R/1マウスの学習能が更によくなることは、なかった。スコポラミン投与によりアセチルコリン系を障害した痴呆モデル・マウスにおいても、elevated plus maze testで評価したところ、チオペラミド投与が改善を示した。 2.H3ガンドの喘息モデルに対する効果 種々の喘息モデルに対するH3作動薬(R)-α-メチルヒスタミン、イミテットの効果を検討したが、明確な効果は得られなかった。更なる検討が必要である。 3.新規H_3受容体リガンドの開発 新規H3アンタゴニストとして、AQ0145がミドリ十字社により開発され、その作用を検討した。本物質はin vitroの結合実験において、チオペラミドより5倍強力であり、マウスの電撃痙攣に対する抑制効果も、チオペラミドとほぼ同程度であった。 4.H3受容体の調節 化学的除神経モデルとして6-ヒドロキシドパミン(6-OHDA)をラットの片側線条体に注入して、経時的にヒスタミンH3受容体の変化をBAS3000を用いたオートラジオグラフィーにより検討した。障害側の線条体と黒質において、ヒスタミンH3受容体の密度は上昇し、3週後に最大値に達し、12週まで持続した。この上昇は、ドパミンD1アゴニスト、SKF38393処置で対側レベルまで低下したが、D2アゴニスト、キンピロールは影響しなかった。すなわち、ドパミン神経系の障害に伴う神経可塑性において、D1受容体を介してヒスタミンH3受容体のアップ・レギュレーションが制御されていることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K. Meguro, N. Sakai, K. Yanai, E. Sakurai, K. Maeyama, T. Watanabe: "Effects of thioperamide, a histamine H3-antagonist, on the step-through passive avoidance response in senescence accelerated mice." Pharmacol. Biochem. Behav.50. 321-325 (1995)
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[Publications] K. Muramaki, H. Yokoyama, K. Onodera, K. Iinuma, T. Watanabe: "AQ-0145, a newly developed histamine H3 antagonist decreased seizure susceptibility of electrically induced convulsions in mice." Meth. Find. Exp. Clin. Pharmacol.17(Suppl.). 64-69 (1995)
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[Publications] M. Ichinose, M. Miura, T. Takahashi, H. Yamauchi, K. Maeyama, T. Watanabe, K. Shirato,: "Airway allergic response and potassium channels; Histamine release and airway in inflammation." Meth. Find. Exp. Clin. Pharmacol.17(Suppl). 36-39 (1995)
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[Publications] N. Sakai, E. Sakurai, K. Onodera K. Yanai, J. H. Ryu, T. Watanbe: "Effect of L-histidine with or without thioperamide on locomotion of mice." Annals Psychiatry. 5. 215-221 (1995)
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[Publications] E. Sakurai, E. Sakurai, K. Maeyama, T. Watanabe, L. Oreland: "Effects of the histamine H3 agonist (R)- -methylhistamine and the antagonist thioperamide in vitro on monoamine oxidase activity in the rat brain." Meth. Find. Exp. Clin. Pharmacol.17(Suppl). 46-50 (1995)
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[Publications] 渡辺建彦,谷内一彦,大津浩: "ヒスタミン2創薬" 日本薬理学雑誌. 106(補册). 14-19 (1995)