1993 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質遊離における分子機構の解析のための遺伝子移入再構成系の開発とその応用
Project/Area Number |
05557011
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷山 紘太郎 長崎大学, 医学部, 教授 (70030898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 樹三裕 長崎大学, 医学部, 助手 (50192399)
片岡 泰文 長崎大学, 医学部, 講師 (70136513)
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 助教授 (20136641)
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Keywords | 遺伝子移入再構成系 / アフリカツメガエル卵母細胞 / 神経終末機能の発現 / ドパミン取込み / ドパミン遊離 / 開口放出 |
Research Abstract |
本研究はラット脳から抽出したメッセンジャーRNA(mRNA)をアフリカツメガエルの卵母細胞に移入し、その卵母細胞にドパミン作動性神経の終末部と同様の機能を発現させることを目的とした。卵母細胞中および卵母細胞灌流液中の夫々のDA量とDA代謝産物は高速液体クロマトグラムで測定した。(1)ドパミン(DA)取込み機能の発現:mRNA移入卵母細胞を10^<-4>M DAを含む液に90分間浸漬した後、60分間洗浄することにより、非特異的に取込まれるDA量を除去することができた。10^<-4>M DA液への浸漬時間が90分でDA取込み量は最大値に達し、その後一定になった。mRNAを移入していない卵母細胞にはDAの取込み量はほとんどなかったが、mRNA移入細胞では浸漬液中のDA取込み量が濃度依存性に増加した。(2)DA遊離機能の発現:取込み機能実験から得た結果を基に10^<-4>M DA液に90分間浸漬した後60分間洗浄したmRNA移入卵母細胞に高K(50mM)液を適用することによりDA遊離を惹起した。高K液を適用すると卵母細胞からのDA遊離が誘発された。この高K誘発DA遊離は外液のCa^<2+>に依存し、開口放出機能の発現を呈したものと考えられる。しかし、取込み機能が発現していた卵母細胞で必ずしも高K誘発DA遊離が起こるとは限らず、また、脳のDA作動性神経ではほとんど観察されないような多量のDA代謝産物の遊離が起こることがあった。以上のことから、mRNAを移入した細胞において取込み機能は有するものの、DAの貯蔵機能や小胞が発現していないために、開口放出の機能が作動しないものもあると考えられた。現在、試料分取装置を用いて、効率良く開口放出機能を発現するmRNAのフラクションを検索している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Taniyama: "Inhibition of the vesicular release of neurotransmitters by stimulation of GABA_B receptor" Ann.New York Acad.Sci.707. 496-499 (1993)
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[Publications] K.Taniyama: "Involvement of cholinergic neuron in intestinal contraction by vasoactive intestinal contractor" Europ.J.Pharmacol.235. 149-151 (1993)
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[Publications] S.Kan: "Specific receptor for vasoactive intestinal contractor in intestinal cholinergic neurones" Europ.J.Pharmacol.(in press). (1994)