1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質遊離における分子機構の解析のための遺伝子移入再構成系の開発とその応用
Project/Area Number |
05557011
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷山 紘太郎 長崎大学, 医学部, 教授 (70030898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 樹三裕 長崎大学, 医学部, 講師 (50192399)
片岡 泰文 九州大学, 医学部, 助教授 (70136513)
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
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Keywords | 遺伝子移入再構成系 / アフリカツメガエル卵母細胞 / 神経終末機能の発現 / GABA遊離 / 開口放出 / プロテインキナーゼC / シナプトフィジン |
Research Abstract |
ラット小脳から抽出したメッセンジャーRNA(mRNA)をアフリカツメガエル卵母細胞に移入し、その卵母細胞に神経終末と同様の機能を発現させることを目的とした。 (1)γ-アミノ酪酸(GABA)取り込み機能の発現:mRNA移入卵母細胞をGABAを含む溶液に90分間浸漬することにより、この卵母細胞はGABAを特異的に取り込んだ。一方、mRNA非移入卵母細胞や、蒸留水を移入した卵母細胞ではGABAの取り込みは見られなかった。 (2)GABA遊離機能の発現:GABAを取込んだmRNA移入卵母細胞からGABAの自発遊離が起る。CaイオノフォアであるA23187とCa^<2+>を適用すると、GABA遊離が増加した。外液中のCa^<2+>を除去するとA23187適用によるGABA遊離の増加は見られなくなったので、mRNA移入卵母細胞には、神経終末と同様の開口放出機能が発現したものと考えられる。 (3)GABA遊離におけるプロテインキナーゼC(PKC)の関与:A23187誘発GABA遊離はPKCの活性化物質であるホルボールエステルで更に増加したことから、mRNA移入卵母細胞には、神経終末と同様にPKCが発現したものと考えられる。 (4)GABA遊離におけるシナプトフィジン(SP)の関与:A23187によるGABA遊離の増加はmRNA抽入と同時に膜融合蛋白質であるSPの抗体を抽入した卵母細胞では、mRNAのみを抽入した卵母細胞における増加の約40%であった。SP抗体を用いたイムノブロット法による検索で、mRNA移入卵母細胞にSPが発現していることが確認された。 これらの結果から、膜融合蛋白質であるSPがGABA遊離に関与しているものと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Akehira: "Site of action of galanin in the cholinergic transmission of guinea pig small intestine." Eur.J.Pharmacol.284. 149-155 (1995)
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[Publications] S.Mameya: "Arachidonic acid cascade and stimulation of acetylcholine release by human recombinant interleukin-1β in guinea pig ileum." J.Pharmacol.Exp.Ther.275. 319-324 (1995)
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[Publications] S.Koizumi: "Contribution of L-type Ca^<2+> channels to LTP of high K^+-evoked dopamine release from striatum." Neurosci.Lett.187. 123-126 (1995)
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[Publications] Y.Kataoka: "GABA : Receptors,Transporters and Metabolism (Advances in Pharmacological Sciences)" C.Tanaka and N.G.Bowery, 324 (1996)