1993 Fiscal Year Annual Research Report
化学反応により生じるフォトン二次元計測法を利用した新しい神経活動記録法の確立
Project/Area Number |
05557012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 八郎 大阪大学, 蛋白質研究所・蛋白質代謝部門, 教授 (20029937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 和朗 東京大学, 工学部・電子工学科, 助教授 (50134458)
永井 克也 大阪大学, 蛋白質研究所・蛋白質代謝部門, 助教授 (70029966)
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Keywords | 極微弱化学発光 / 雪崩光ダイオード / 単一光子計数装置 / neural activity / 海馬スライス培養 |
Research Abstract |
培養神経スライス標本からの微弱な発光を捕えるために、東京大学工学部と共同で雪崩光ダイオード(アヴァランシェフォトダイオード)を用いた単一光子計数装置を開発した。この計測装置は400nm〜900nmの広い波長帯域において約1〜3%の高い総合量子効率を示し、1000nmの波長においても0.1%台の総合量子効率を保っていた。最小検出可能光パワー(信号:ノイズ比が1になる光パワー)は波長1000nm付近の近赤外領域まで10^<-18>W台を保っており、量子効率のもっとも高い600〜800nm付近では10^<-19>W台の最小検出可能光パワーを示した。これは雪崩光ダイオードを用いた単一光子計数装置としては今まで報告されたことのない高い感度である(投稿準備中)。この光子計数装置を用いて、海馬スライス標本からの極微弱化学発光の測定を行った。1時間以上の長時間測定の結果より、海馬スライスから10^<-19>W台の発光を認め、4時間以上安定した状態で計測を行なうことに成功した。また、このスライス標本では、非特異的アセチルコリン受容体アゴニストであるcarbachol(1mM)による神経活動刺激に伴うスライスからの発光の増加、ナトリウムチャンネルのブロッカーであるtetrodotoxin(1μM)による神経活動抑制に伴う発光の減少を検出している。 浜松ホトニクスのARGUS-50システムは93年末に納入されたので、測定結果が充分でていないが、雪崩光ダイオードシステムと同様、スライスからの300〜600counts/hrの発光を検出している。スライスの組織構造による二次元的な発光量の違いなどはまだ検出出来ていない。
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