1994 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボキサンとプロスタサイクリン代謝物の免疫親和性精製と免疫測定法の開発
Project/Area Number |
05557013
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Research Institution | Tokushima University |
Principal Investigator |
山本 尚三 徳島大学, 医学部, 教授 (50025607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 幸和 日本化薬総合研究所, 主任研究員
浜中 信行 小野薬品工業, 創薬研究所, 所長
平松 真 小野薬品工業, 試薬研究室, 研究員
沢田 正文 小野薬品工業, 水無瀬研究所, 主任研究員
林 陽子 徳島大学, 医学部, 助手 (60035441)
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Keywords | アラキドン酸 / 6-ケトープロスタグランジンF_<1α> / プロスタグランジンE_2 / トロンボキサンA_2 / ロイコトリエンC_4 / 酵素免疫測定法 / モノクローン抗体 / 2,3-ジノル-6-ケトープロスタグランジンF_<1α> |
Research Abstract |
アラキドン酸由来の生理活性物質で、主として血小板で生成するトロンボキサンA_2(TXA_2)は、血小板を凝集させ血管を収縮させる。また、主として血管内皮細胞で生成するプロスタサイクリン(PGI_2)は、血小板凝集を阻害し血管を拡張させる。両物質の生体内の動態を追究し、各種循環器疾患との関連を解明し、また、薬物の効果を判定しようと試みられている。本研究計画では、化学的に極めて不安定なTXA_2とPGI_2の分解産物のTXB_2と6-ケト-PGF_<1α>よりも、もっと代謝的半減期の長い代謝産物の11-デヒドロ-TXB_2と2,3-ジノル-TXB_2および2,3-ジノル-6-ケト-PGF_<1α>の生体試料から簡便な抽出精製法と感度のよい測定法を、モノクローン抗体を利用して開発することを研究目的とする。 初年度の2,3-ジノル-6-ケト-PGF_<1α>に対するモノクローン抗体調製に続いて、平成6年度はその抗体を使った免疫親和性クロマトグラフィーによる生体試料からのアラキドン酸代謝物の抽出精製を試みた。抗2,3-ジノル-6-ケト-PGF_<1α>をBrCN活性化セファローズ4Bに結合させて固相化し、1mlのセファローズ4Bに860μg IgGの結合したカラムを標準カラムとして用いて、そのカラムに少なくとも60pmolの2,3-ジノル-6-ケト-PGF_<1α>が結合し得た。カラムからの溶出条件を検討して、尿に含まれる2,3-ジノル-6-ケト-PGF_<1α>をSEP-PAK C_<18>カラムで前処理してから上記の固相化抗体カラムで抽出すると、酵素免疫測定法を妨害する不純物と分離され、70%程度の収率で回収された。このように尿から抽出された試料を酵素免疫測定法に供すると、増量実験と添加回収実験、さらにGC-MSでの検定で、満足すべき結果を得た。なお、このモノクローン抗体を用いる免疫親和性クロマトグラフィーは、関節炎患者の滑液中のプロスタグランジンE_2とロイコトリエンC_4の抽出にも適用された。
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[Publications] Hiramatsu,M.: "Application of an α-sidechain length-specific monoclonal antibody to immunoaffinity purification and enzyme immunoassay of 2,3-dinor-6-keto-prostglandin F1α from human urine" Prostglandins Leukotrienes and Essential Fatty Acids. 50. 69-79 (1994)