1994 Fiscal Year Annual Research Report
合成ペプチドを抗原とする抗HTLV-I抗体の新しい超高感度測定法の実用化
Project/Area Number |
05557015
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
石川 栄治 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (40029939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 喜昭 住友製薬(株), 研究開発推進部, 部長
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Keywords | ヒトT細胞白血病ウイルスI型 / HTLV-I / 抗体IgG / 酵素免疫測定法 / β-D-ガラクトシダーゼ / マイクロプレート / 蛍光光度計 |
Research Abstract |
合成ペプチドを抗原とする、抗HTLV-I IgGの新しい超高感度検出法(免疫複合体転移検出法)の開発、実用化には、抗原として用いる合成ペプチドの選定と実用的操作法の確立が必要であった。昨年度までに、従来法と同等か、それ以上の感度と特異性で抗HTLV-I IgGを検出するための合成ペタチドを3種類選定することができたので、今年度は、実用的操作法の確立を試みた。昨年度までは、固相として直径3.2mmのポリスチレンビーズを使って小試験管内で免疫反応を行ない、ポリスチレンビーズを試験管から試験管へ移すためにピンセットを使っていた。高シグナルを示すサンプルと免疫反応を行なったポリスチレンビーズを移し換えるために使ったピンセットは、洗浄しないとcarryoverにより、次の陰性サンプルが前の高シグナルの約200分の1のシグナル、次の陰性サンプルが約800分の1のシグナルを示すようになり、偽陽性となることがわかった。このcarryoverは、ピンセットの先端を非常に注意深く洗浄しない限り避けられないこともわかった。また、ポリスチレンビーズに結合したβ-D-ガラクトシダーゼ活性を表わす蛍光強度を分光蛍光光度計により、1サンプルづつ測定していた。ピンセットによるポリスチレンビーズの移し換えと蛍光光度計による蛍光強度の測定が多数検体の抗HTLV-I IgGの測定を困難にしていた。これらの難点を解消するために、マイクロプレートと、蛍光プレートリーダーの利用を試みた。その結果、ピンセットを使う必要がなくなったので、carryoverを除去できると同時に、感度を低下させることなく、96検体の蛍光強度を1分40秒で測定することができることもわかり、多数検体の測定がある程度容易となった。しかし、ポリスチレンビーズをマイクロプレートからマイクロプレートへ移し換えるための方法を、感度を低下させることなく更に簡便化するための試みが終了していない。殊に、ポリスチレンビーズに代わる固相の試作が今後の課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Setsuko Ishikawa et al.: "Use of microplates and fluororeader for ultrasensitive enzyme immunoassay (immune complex transfer enzyme immunoassay)of anti-HTLV-I IgG." Journal of Clinical Laboratory Analysis. 8. 327-331 (1994)
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[Publications] Setsuko Ishikawa et al.: "Further simplification of ultrasensitive enzyme immunoassay (immune complex transfer enzyme immunoassay)for anti-HTLV-I IgG using microplates and fluororeader." Journal of Clinical Laboratory Analysis. (in press). (1995)