1994 Fiscal Year Annual Research Report
ドライケミストリー法を用いた微量血からの簡便迅速な肉体疲労度評価法の開発
Project/Area Number |
05557028
|
Research Institution | 国立公衆衛生院 |
Principal Investigator |
内山 巌雄 国立公衆衛生院, 労働衛生学部, 部長 (20151897)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 はつ子 国立公衆衛生院, 労働衛生学部, 主任研究官 (90222736)
熊江 隆 国立公衆衛生院, 労働衛生学部, 室長 (40145363)
倉掛 重精 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00033407)
|
Keywords | ドライケミストリー法 / 血中遊出酵素 / 肉体疲労度 / 長距離選手 / 主観的疲労度調査 |
Research Abstract |
当該年度においては、調査に協力を申し出た運動選手を対象者として研究を行った。対象者は某体育大学の陸上競技部あるいは国内最高の実績を有する某一流実業団に所属する長距離走選手であった肉体疲労が生じていると考えられる夏期あるいは強化合宿時に調査を行った。主観的な疲労感を知るためのアンケート調査として、産業疲労の自覚症状調べ、感情プロフィール(POMS)テスト、性格診断(EGO)テストを行い、同時に採血を行った。採血後速やかに、その場でドライケミストリー法により、いくつかの血中遊出酵素の活性を測定した。また、血清を分離・保存して従来法の生化学検査で24項目を測定した。これらの測定値と主観的な疲労感との関連性について検討し、慢性的肉体疲労度評価法として確立させることを目的として、肉体的疲労度を個人毎に客観的に評価し得るようないくつかの血中遊出酵素群を指標として選出する試みを行っている。当該年度までに得られた結果からは、同程度の負荷をかけても主観的な疲労感の訴えが多い者では筋組織から遊出したと考えられるクレアチンホスホキナーゼ(CPK)活性が高値となる者が多く、肉体疲労度の評価にCPKが活用できる可能性が示唆されている。また、疲労感の訴えが多い者ではGOT及びGPTに異常値を示す割り合いも高くなっており、これらの血中遊出酵素群も指標として用いる事を考慮している。現在も平成6年度までに集積した多くのデータについて統計的な処理を行っている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 熊江隆: "微量血からの肉体疲労度評価法の開発,第1報ドライケミストリー法と従来法との比較" 日本衛生学雑誌. 49. 324 (1994)
-
[Publications] 熊江隆: "微量血からの肉体疲労度評価法の開発,第2報主観的疲労度と血清生化学検査値に及ぼす夏期合宿の影響" 産業医学. 36. S537 (1994)
-
[Publications] 倉掛重精: "微量血からの肉体疲労度評価法の開発,第3報実業団陸上選手の強化合宿時における主観的疲労度とドライケミストリー法による血中遊出酵素活性との比較" 日本衛生学雑誌. 50. 420 (1995)
-
[Publications] 熊江隆: "大学陸上選手の好中球活性酸素産生能と主観的疲労度との比較" 日本衛生学雑誌. 50. 419 (1995)