1993 Fiscal Year Annual Research Report
ウィルス性肝炎に対するインターフェロン遺伝子療法の開発
Project/Area Number |
05557033
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雄一朗 東レ基礎研究所, 創薬第二研究室, 主任研究員
各務 伸一 名古屋大学, 医学部, 講師 (10115545)
吉田 純 名古屋大学, 医学部, 講師 (40158449)
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Keywords | B型肝炎 / 遺伝子治療 / リポゾーム / インターフェロン / アシアロ蛋白 |
Research Abstract |
1.B型肝炎ウィルスを産生する肝細胞へのインターフェロン-β遺伝子の導入 分担研究者各務らにより樹立された細胞株(HBVトランスフェクタントHepG2細胞,J.Med.Virol.1992)に発現ベクターpSV2に挿入したインターフェロン-β遺伝子(pSV2IFN-β)を包理したリポゾームをトランスフェクトし、経時的にB型肝炎ウィルスの産生を検討した。ウィルス産生は、表面抗原(HBeAg)をイムノアッセイにより測定した。ベクターpSV2のみをトランスフェクトしたコントロールのB型肝炎ウィルスの産生を100%とした場合、pSV2IFN-βの導入により、トランスフェクション3日後には肝炎ウィルスの産生は51.3%に、6日後には49.4%に減少した。一方、遺伝子組換えにより作製されたヒト型インターフェロン-β1,000単位を加えた場合、3日後には、75.4%、6日後には68.4%とトランスフェクションによる抑制の方が大きかった。以上の結果、リポゾーム包理pSV2IFN-βによるB型肝炎の治療が可能であると考えられた。 2.HepG2及びラット初代培養細胞へのリポゾームによるトランスフェクション効率の検討 HepG2細胞へのトランスフェクションの効率をIFN-β遺伝子の代わりにバクテリアのβ-ガラクトシダーゼ遺伝子を挿入したpSV2-βGAL(pCH110)を用いて検討した。トランスフェクション後、24時間後に細胞を固定し、ガラクトシダーゼ活性を組織学的に検討すると、約10^5の細胞に対し、β-ガラクトシダーゼ陽性細胞は数個とトランスフェクション効率は、著しく低かった。一般的にトランスフェクション効率は、増殖期の細胞で良いとされ、検出に臨床的に遭遇するB型肝炎では、非増殖期の肝細胞並びに増殖期のが混在すると考えられるため、HepG2細胞よりも肝炎では、更にトランスフェクション効率が悪いと考えられる。事実、増殖能を示さないスフェロイド形成ラット初代培養肝細胞では、殆どトランスフェクションは認められなかった。今後トランスフェクションの効率を高めることが重要な課題と考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshitaka Hayashi: "Human Thyroxine-Binding Globulin Gene:Complete Sequence and Transcriptional regulation" Molecular Endocrinology. 7. 1049-1060 (1993)
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[Publications] Masafumi Menjo: "Effects of Thyroid and Glucocorticoid Hormones on the levels of messenger ribonucleic acid for lodothyronine Type l 5′-Deiodinase in Rat Primary Hepatocyte Cultures Grown as Spheroids" Endocrinology. 133. 2984-2990 (1993)