1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05557046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 真寛 京都大学, 医学部, 助教授 (70173218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 英夫 名糖産業株式会社, 名古屋研究所, 主任研究員
永田 靖 京都大学, 医学部, 助手 (10228033)
西村 恭昌 京都大学, 医学部, 講師 (00218207)
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Keywords | Hyperthermia / Targeting / Intaarterial / Embolization / Magnetic Fluid / Dextran Magnetic |
Research Abstract |
実験-1 前年度までに家兎腎をモデルとした加温実験で、選択的かつ効果的な温度上昇を達成した。今年度は実験腫瘍を移植した家兎肝をターゲットとして加温を試みた。組織学的には肝腫瘍の辺縁部へのDMの選択的な集積を認め、肝の温度も上昇したが、正常肝と腫瘍部での温度上昇に明らかな差は見られなかった。これは、実験手技上家兎肝動脈超選択的にDM含有塞栓物質を動注することの困難さに加えて、加温中肝腫瘍部の温度を正確に測定することの困難さによるものと思われた。 実験-2 家兎腎をモデルとし、実験-1と同様の実験系で、標的臓器(腎)における、動注直後のDMの停滞率、およびその後のDMの体循環への移行および網内系組織への蓄積率の経時的変化を測定した。現在の剤型では動注されたDMの最大50%しか局所で利用されず、またDMはその後急速に体循環に移行し、24時間後にはその50%以上が肝・脾に蓄積することが示された。 実験-3 8週令のC3H/Heマウスに500mgFe/kg BW相当のDMを静注し、経時的に屠殺して肝・脾組織を摘出し、その交流磁場中での温度上昇率および鉄含有量を測定した。組織中の鉄濃度は静注直後よりも24時間後以降で高値となり、さらに静注後2カ月以上にわたり正常値よりも高かったのに対し、交流磁場中での温度上昇率は、静注直後が最高値であり、約4週間後には0になった。このように組織中の鉄濃度の減少と温度上昇率の減少は異なったパターンを示し、DMが網内系組織で代謝を受けることによりその発熱能を失うこと、そしてその半減期はおおよそ72時間であることが示された。
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Research Products
(1 results)