1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05557062
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
萩原 明郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90198648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下間 正隆 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30244601)
高橋 俊雄 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50079828)
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Keywords | 血管新生抑制因子 / 癌性腹膜炎 / ドラッグ・デリバリー・システム / 化学療法 / 剤形 / マイクロスフェア |
Research Abstract |
平成5年度の前年は、血管新生抑制因子のマクロスフェア化の実験を行った。その結果、血管新生抑制因子をオリーブ油に溶解し、レシチンを添加して超音波処理を行うことにより、血管新生抑制因子の生物学的活性を損うことなくマイクロスフェア化(リピッドマイクロスフェア)することに成功した。 平成5年度の後半は、ラットの吉田肉腫、ウオーカー肉腫、マウスのB16メラノーマ等の移植腫瘍の腹腔内移植により作製した実験的癌性腹膜炎モデルを用いて、リピッドマイクロスフェア化血管新生抑制因子の治療効果の検討を開始し、動物実験では、すでに本剤型により有意の延命効果をあげることに成功している。 以上の如く、現在試作をおこなっている製剤は、剤形としての基本的な性能(マイクロスフェア化による生物学的活性の保持、動物実験モデルにおける治療効果の発現など)では開発に成功しているものの、粒子径分布とその経時的安定性、薬剤成分の放出速度制御性能の点では未だに十分に完成された剤形とは言い難い。そこで現在、これらの点の改良を目標として実験を行なっている。 もう一点、剤形の必須の基本性能として、本剤形の安全性があげられる。この点に関しても現在マウスを用いて検討中であるが、少なくとも本剤形は、従来の剤形である血管新生抑制因子の水溶液に比較して、致死的毒性が低い事が明らかになった。現在、定量的な安全性の定量、および毒性の持続期間や病理組織学的な検討により、剤形変更による新たな毒性発現の有無などの安全面の検討を行なうべく、予備実験を行なっている。
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Research Products
(1 results)