1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05557075
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田野 保雄 大阪大学, 医学部, 教授 (80093433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 武久 国立循環器病センター, 生体工学部, 部長 (60142189)
石本 一郎 大阪大学, 医学部, 講師 (80159780)
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Keywords | 光二量化反応 / ヒアルロン酸 / チミン / コンドロイチン硫酸 / ケイ皮酸 / 癒着防止 / 結膜 / 硝子体 |
Research Abstract |
平成6年度は、光架橋性ムコ多糖誘導体であるチミン化ヒアルロン酸およびケイ皮酸化コンドロイチン硫酸をin vitroで紫外線照射してフィルムを作製し、その癒着防止効果に関して白色家兎を用い、更なる検討を行った。チミン化ヒアルロン酸フィルムおよびケイ皮酸化コンドロイチン硫酸フィルムは白色家兎の結膜下に挿入した場合、それぞれ2週間および4週間で吸収された。結膜癒着力測定装置を用いて測定した結果では、チミン化ヒアルロン酸およびケイ皮酸化コンドロイチン硫酸は共にフィルムが結膜下に残存している間はcontrol群と比べて結膜癒着力が極めて低い値を示したが、親水性の低いケイ皮酸化コンドロイチン硫酸フィルムが吸収された後の結膜癒着力はcontrol群に近い値を示した。一方、親水性の高いチミン化ヒアルロン酸は、フィルムが吸収後においても結膜の癒着は殆ど認められなかった。また、ケイ皮酸化コンドロイチン硫酸フィルムにおいてはフィルムを挿入した部分の周囲にある結膜の癒着力がcontrolと比べてやや高い値を示したが、これは病理組織学的に認められたケイ皮酸化コンドロイチン硫酸フィルム周囲へのマクロファージの浸潤と関連があるものと思われた。一方、チミン化ヒアルロン酸フィルム挿入眼においては組織反応が軽微であり、このフィルムの緑内障濾過手術への応用の可能性を探っている。紫外線照射装置による硝子体内での光架橋性ムコ多糖誘導体の硬化実験に関しては、水溶液中での架橋効率が低く依然成功していないが、光架橋基とムコ多糖の主鎖の間にspacerを導入することで、架橋効率が高まることが認められた。また、ムコ多糖の架橋効率との関連で、NMRを用いてヒアルロン酸の水溶液中での構造の解析を行った。
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Research Products
(2 results)