1995 Fiscal Year Annual Research Report
FGF受容体高発現系を用いたFGF様活性物質検索法の確立と新規な活性物質の開発
Project/Area Number |
05557105
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 信行 京都大学, 薬学部, 教授 (10110610)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 正文 塩野義製薬, 研究所, 主席研究員
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
|
Keywords | FGF / 受容体 / 遺伝子 |
Research Abstract |
FGFは多様な生理作用を示す生理活性ペプチドで,現在まで,9種類の異なったFGFが存在することが明らかにされている。FGFはその構造に著しい類似性がみられることから,その構造類似性の高いアミノ酸配列に対応する2種類の縮重プライマーを合成した。この縮重プライマーを用いてラット胎児cDNAライブラリーをスクリニ-ニングしたところ,新規なFGFをコードするcDNAが得られた。cDNAの構造解析から215アミノ酸残基からなる新しいFGFの構造が明らかになり,これをFGF-10と名付けた。 FGF-10の発現の臓器特異性を調べたところ,成体より胎児で高発現していた。成体では多くの臓器で,その発現は見られなかった。しかし,脂肪組織では特異的に高発現がみられ,FGF-10は脂肪細胞増殖因子の一つである可能性が高い。 FGF-10を培養細胞発現系で発現させ,その生物活性を調べた。FGF-10は表皮細胞に特異的に細胞増殖活性を示し,線維芽細胞には増殖活性を示さないユニークな増殖因子であることが明らかになった。さらに,大腸菌で,大量発現を目指したところ,大腸菌で効率良くFGF-10が発現していることが明らかになった。 今後は,このFGF-10の生物活性,薬理活性などの活性を調べるとともに,現在まで,知られている4種類の受容体との親和性,細胞内情報伝達機構などを調べ,FGF-10の医薬品への応用への基礎的な知見を得る。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Tagashira ら: "Localization of fibroblast growth factor-9 mRNA in the rat brain" Mol. Brain Res.30. 233-241 (1995)
-
[Publications] Miyake ら: "Transient expression of FGF. receptor-4mRNA in the rat cerebellum during postnatal development" Mol. Brain Res.31. 95-100 (1995)
-
[Publications] Miyake ら: "Rat oligodendrocytes and astrocytes preferentially express fibroblast growth factor receptor-2 and -3mRNAS" J. Neurosci. Res.(in press). (1996)
-
[Publications] Hattori ら: "The rat FGF-5mRNA Variant generated by alternative pplicing encodes a novel truncated form of FGF-5" Biochim. Biophys. Acta. (in press). (1996)