1993 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸の脳内機能解明を目的とする機能分子設計
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05557110
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小泉 徹 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40012611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊比井 信広 塩野義製薬, 新薬研究所, 主任研究員
鎌田 進 塩野義製薬, 創薬第二研究所, 研究部長
高橋 たみ子 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (10115181)
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Keywords | グルタミン酸アゴニスト / グルタミン酸アンタゴニスト / ホスホグルタミン酸 / スルフィニルマレイミド / アシルイミニウム付加 / 不斉合成 / 環化付加反応 / キラルジエノフィル |
Research Abstract |
当該研究者により開発された新規キラルジエノフィル[スルフィニルマレイミド型キラルジエノフィル]は反応性に富み、各種のジエンと高ジアステレオ選択的に反応する。このジエノフィルとシクロペンタジエンとのディールス、アルダー反応により得られた環化付加体を用いた光学活性なグロタミン酸類縁体を合成するわけであるが、平成5年度前半においては、予備実験として、マレイミドとシクロペンタジエンとの付加体にアシルイミニウム付加反応を行って、シアノ基、ホスホン酸、ホスフィン酸残基を導入して、グルタミン酸類縁体、4-アミノ-4-ホスホノまたはホスフィノ酪酸誘導体を立体選択的に合成する手法を開発した。5年度後半においては、光学活性キラルスルフィニルマレイミドとシクロペンタジエンとの反応により得られた環化付加体に対して、その手法を適用し、光学活性体を選択的に合成しつつある。 平成5年度の研究の評価 5年度前半にはアシルイミニウム付加によるシアノ基、ホスホン酸、ホスフィン酸残基の導入法を確立し、ラセミ体はもとより光学活性なグルタミン酸類縁体、4-アミノ-4-ホスホノまたはホスフィノ酪酸誘導体の合成までを行う予定であったが、ホスホン酸残基の導入が予想以上に困難であったため、光学活性体の合成、生物活性の評価が数ヵ月遅れている。しかし、その間に蓄積したネガティブデータの多くは将来の誘導体合成には役立つはずであり、また5年度後半には光学活性体の一部も合成可能であるので、所期の研究計画の80%程度は達成できたものと考えている。
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[Publications] Y.Arai: "Enantioselective Synthesis of (+)-Indolizidine,(+)-Laburnine and (+)-Elaeokanines a and C using the Diels-Alder Reaction" J.Chem.Soc.Perkin Trans.1. 15-24 (1994)
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[Publications] Y.Arai: "Asymmetric Diels-Alder Reaction of Optically Active alpha-(2-exo-Hydroxy-10-bornyl)sulfinylmaleimides and its Application" J.Chem.Soc.Perkin Trans.1. 25-39 (1994)