1993 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症病態解析および治療薬物スクリーニングのための培養モデルの開発
Project/Area Number |
05557118
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
加藤 博明 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (10152737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮山 靖 ヘキストジャパン医学総合研究所, 研究員
稲津 水穂 ヘキストジャパン医学総合研究所, 主任研究員
北川 寛 ヘキストジャパン医学総合研究所, 室長
松尾 律子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00126260)
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Keywords | Adult osteoblast / Primary culture / Bone nodule formation / Osteoporosis / Collagen / Osteocarcin |
Research Abstract |
胎仔および老年ラット骨芽細胞を用いた培養骨形成モデルの確立 1.ウィスター系ラット(6カ月齢、雌)頭蓋冠からコラゲナーゼ/トリプシン消化法により骨芽細胞(以下AOB)を分離する条件を確立した。また、対照として胎仔頭蓋冠からも同様の方法により骨芽細胞(以下FOB)を分離した。 2.AOBおよびFOBはアスコルビン酸リン酸エステル・マグネシウム塩2.5mMおよびβ-グリセロリン酸2mMを含む培地(α-MEM,10%牛胎仔血清)中で培養することにより活発に増殖し、約2週間後に肉眼的に視認可能な骨結節を形成することが明らかとなった。形成された骨結節はvon Kossa染色により、内部に茶褐色に染色される石灰化組織を含んでいることが示された。FOBもAOBと同様の骨結節を形成した。 AOBおよびFOBが形成する骨結節の組織学的ならびに電顕的検索 1.骨結節の透過電顕像 骨結節は表面に未分化な扁平細胞層、その下にコラーゲン線維に富んだ類骨層、さらにその下部に骨細胞様細胞を含む小腔が散見される石灰化層が存在する三次元的な構造を示した。この構造は実際の骨と比較して骨髄腔を持たないという点を除いてはほぼ同様であった。AOB骨結節の構造はFOBが形成する骨結節の構造とほとんど差が見られなかった。 2.骨結節の組織化学的染色 1)コラーゲン染色:von Kossa染色によって確認できる石灰化部、およびその上部の類骨層にI型コラーゲンの存在が認められた。 2)オステオカルシンの染色:石灰化部には、骨に特有な基質であるオステオカルシンの局在が認められた。これらの結果より、今回開発した方法により分離・培養されたAOBおよびFOBが、生体の骨と極めて類似した組織構造を有する骨結節を形成できることが明らかとなった。
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