1994 Fiscal Year Annual Research Report
敬語適用の説明機能を持つ敬語練習ワークステーションの開発
Project/Area Number |
05558018
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Research Institution | Akashi College of Technology |
Principal Investigator |
濱野 正美 明石工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (60156411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 博 明石工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (20043424)
松永 公廣 摂南大学, 経営情報学部, 助教授 (20099831)
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Keywords | 説明機能 / 敬語練習 / 調査研究 / システム設計 / 敬語表現 / コミュニケーション / 人間関係 |
Research Abstract |
1)学生は、敬語意識は十分に持っており、敬語表現を使う現状分析も適切であり、目的意識も明確で、学習意欲も十分であるが、敬語知識に自信がなく、使う機会も少ないと思っており、できたら必要を感じるときに自然に学べる「敬語学習環境(設備)」が持てればいいと考えている。2)尊敬や丁寧表現に比べて謙譲語表現が使われない傾向が強くみられ、丁寧表現で敬語 表現を代替しようという傾向が強い。3)尊敬表現は学生の間でも比較的よく使われ、謙譲表現も意識すれば使えるが、意外なことに丁寧表現は場面によって間違う場合がある。4)実生活で経験したことがない場面で、尊敬、謙譲、丁寧表現が複雑に重なるときに敬語表現の間違いが多くなる。5)日常の敬語表現の慣れが教育効果に影響を与える一つの因子である。 この実状を反映させ、必要性を自覚したとき繰り返し学べる機会を提供するために学敬語練習システムを設計実現した。その基本的な機能は、課題の登録、課題の出題、入力された回答文の敬語的観点からの評価と説明、学習者の理解状態の推定と課題選択へのフィードバックと再出題である。これは言語は「経験の積み重ねによって習得できる」という経験的知見と調査結果にもとづいている。システムの構築に必要な文法・敬語変換、原文データベースの構造決定、敬語構造と学習者の理解度モデルなど技術的問題は解決され画面表示に示すごとく実用された。 以上のように着実に研究を進め、多くの成果を得ることができた。今後の課題としては、学校という教育現場の中で活用し、その成果を有意義な教育的成果に結び付けていくという新たな課題が顕現した。
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[Publications] 濱野正美 松永公廣: "現代学生の敬語表現に関する調査研究" 一般教育学会誌. 16-2. 144-149 (1994)
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[Publications] 濱野正美 二宮博: "敬語学習と現代学生(2)" 明石工業高等専門学校研究紀要. 37. 25-45 (1995)
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[Publications] 濱野正美 二宮博: "敬語学習と現代学生" 明石工業高等専門学校研究紀要. 34. 117-136 (1992)