1995 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスを燃料とする農業用スターリングエンジンの試作研究
Project/Area Number |
05558061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 嗣男 東京大学, 農学部, 教授 (40031215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博昭 神戸大学, 農学部, 教授 (80031194)
鳥居 トオル 東京大学, 農学部, 助手 (60172227)
木谷 収 東京大学, 名誉教授 (00024539)
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Keywords | スターリングエンジン / 再生器 / ディスプレーサ / ベロフラム / マトリックス / バイオマス / 作動流体 / 摩擦抵抗 |
Research Abstract |
外燃機関であるスターリング機関は、熱源の多様性や低公害性の面から近年再び注目を集めている。その理論熱効率はカルノ-サイクルの熱効率に等しく、低温度差熱源においても十分高い熱効率が期待でき、廃熱などの質の低い熱源の動力変換にも適している。スターリング機関の開発研究においては、作動ガスの漏れ並びに摺動抵抗の低減など問題がいまだに解決しておらず、実用化に向けて大きな障害になっている。本研究では、ロッドシール並びにパワーピストン部での作動ガスの漏れを抑えながら摺動摩擦抵抗を低減するため、折り返し式ベローズ(以下ベロフラムと呼ぶ)を利用したスターリング機関を考案し、機関特性予測のためのシミュレーションを行うとともに、構造が簡単で保守管理が容易な機関を試作し、運転試験を実施して機関特性を明らかにした。 まず、スターリング機関の設計および試作を行うための指針を得るため、機関性能予測シミュレーションを行った。それに基づき、出力特性を評価するための実験機関の設計と試作を行った。本機関では、スターリング機関の主要な部分である熱再生器をディスプレーサ内に組み込んで一体としたことにより、機関の構造を簡単にするとともに、死空間を減らすことを試みた。また、ディスプレーサピストンにテフロン樹脂ル-ロンJ素材のシールリングを用い、無潤滑で運転が行えるようにした。さらに、ベロフラムシリンダをスターリング機関のディスプレーサロッドシールならびにパワーピストンに利用することにより作動ガスのシール性を向上させるとともに摺動摩擦力の低減をはかった。 試作機関出力特性の評価については、ベロフラムシリンダを用いたスターリング機関とステンレスベローズスターリング機関との性能比較を行っており、ベロフラムシリンダを用いたスターリング機関は、機関回転速度は低いが、軸出力パラメータが高いことを明らかにし、ベロフラムシリンダを用いることにより出力特性を改善できることを示した。
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