1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05558064
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 祥三 大阪大学, 工学部, 教授 (10029126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村澤 貞夫 石原産業(株), 機能材料研究所, 所長
村越 敬 大阪大学, 工学部, 助手
和田 雄二 大阪大学, 工学部, 助教授 (40182985)
|
Keywords | 太陽電池 / 酸化チタン / 薄膜化技術 / 光電変換 / 色素増感 / 超微粒子 |
Research Abstract |
1.励起状態で酸化チタンへの電子注入が可能な有機色素として、既にGratzelによりその有効性が報告されている錯体Ru(dcb)_2(NCS)_2(dcb=4,4'-dihydroxycarbonyl-2,2'-bipyridine)を合成した。この錯体の基礎物性として、吸収スペクトル、蛍光スペクトル、サイクリックボルタモグラムの測定を行った。この錯体の吸収はpHの増加とともにブルーシフトする興味深い現象が見られた。 2.酸化チタンの表面修飾法として、アセトニトリル中で酸化チタン微粒子を酸塩化物または酸無水物により処理する手法を試みた。この手法によれば、酸化チタン微粒子表面の水酸基とこれら修飾剤との反応により、エステル結合を形成し、安定な修飾が可能であることがわかった。この修飾法は色素分子の酸化チタン表面への固定化に応用可能であると期待される。 3.四塩化チタンを氷冷下、アセトニトリル中で加水分解することによりナノスケールの粒径を有する酸化チタン超微粒子を調製する手法を検討した。 4.酸化チタンの超微粒子を用いた新規太陽電池電極のための薄膜化技術を検討した。市販のP25微粉末を成形焼結する手法、三塩化チタンから電着法によって作製する技術、化学的にゾル-ゲル法によって作製する技術、それぞれの技術で作成した超微粒子薄膜について電気伝導性、表面状態、耐溶媒性、物理的強度などを検討し、最適な調製法について多くの知見を得た。 5.上記の色素ならびに酸化チタン薄膜を用い、透明ガラス電極、ホールリレーシステムからなる太陽電池の試作を行い、分子太陽電池としての光変換諸特性ならびに耐光性についての予備的な検討を開始した。
|
Research Products
(1 results)