1993 Fiscal Year Annual Research Report
水循環システムの個別化を目指す小規模分散型高度水処理プロセスの開発
Project/Area Number |
05558073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二村 修 (株)荏原総合研究所, PWチームリーダー
長岡 裕 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (90207986)
大垣 眞一郎 東京大学, 工学部, 教授 (20005549)
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Keywords | 高度処理 / 小規模排水処理 / 水循環 / 膜分離 / リン除去 / 窒素除去 / 吸着 / エネルギー評価 |
Research Abstract |
コンパクトで維持管理の容易且つ信頼性の高い高度処理プロセスの開発を目的として、本年度は以下の知見を得た。1.紫外線消毒を用いた排水再生利用システムに際して必要となる基礎データ、特に光回復についての実験の結果、野生の大腸菌群の方が実験室培養の純粋株により光回復が顕著に現れた。また、DNAファージT4の方がRNAファージQβより紫外線に対する耐性が強かった。2.種々の形状の中空糸膜モジュールを試作し、実験室規模での基礎的特性試験とともに、実処理場の曝気槽中でその運転条件を変えて、基本濾過特性・排除特性に関する実験を行った結果、小規模で特に影響の大きい流量変動を考慮した6時間間隔の間欠濾過運転で十分な好成積を得た。また、種々の膜モジュールを用いた実下水を用いた膜分離活性汚泥法の連続運転を行い、連続使用可能なモジュール形態についてその分散度が重要な要因になることを明らかにした。3.実験室規模での膜分離活性汚泥法による窒素除去特性を曝気時間・曝気量などの運転条件を変えて調た結果90分曝気-90分無曝気の運転条件で、温度25℃で90%以上、5℃でも80%以上の窒素除去率が得られた。特に温度が15℃以下に低下すると、一時的には硝化細菌数が低下するが、硝化細菌は膜分離により完全に曝気槽内に保持されるため1〜2週間で再び十分な増殖が起き硝化が回復することが分かった。4.鉄屑をカラムに充填してリン除去特性を調べた結果、短いカラムを3段にしたもので、5mg/lの流入水リン濃度に対して流出水のリン濃度0.2mg/l以下の処理成績を得た。カラム内の好気度がリン除去カラムの基本的設計因子となることが明らかとなった。5.本研究成果を踏まえた膜分離浄化槽による個別水循環システムのエネルギー評価を行った結果、現状では膜分離浄化槽が大規模上下水道システムよりエネルギー的に有利になる世帯密度は約90世帯/Km^2以下であった。
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[Publications] C.Chiemchaisri and K.Yamamoto: "Biological Nitrogen Removal under Low Temperature in Membrane Separation Bioreactor" Proc.2nd Int.Conf.on Small Wastewaten Treatment Plants,Tronheim. 441-448 (1993)
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[Publications] C.Ratanatamsknl,K.Yamamoto他1名: "The Use of Zeolite-Iron Column for Residual Ammonia and Phosphonus Removal in the Effluent from Membrane Process" Proc.4th IAWQ Asian Regional Conf.on Water Bllut〓 contrib,Jakarta. 8 (1993)
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[Publications] 松本重行,山本和夫: "エネルギーアナリシスによる水循環システムの評価" 環境システム研究. 21. 355-363 (1993)
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[Publications] 新井一仁,長岡裕,他3名: "膜分離活性汚泥法におけるモジュール形状および吸引条件の影響" 第30回環境工学研究フォーラム講演集. 67-69 (1993)
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[Publications] 新井一仁,長岡裕,他3名: "汚泥引抜きを伴わない膜分離活性汚泥法による実下水処理特性" 第28回日本水環境学会年会講演集. (発表-予定). (1994)