1994 Fiscal Year Annual Research Report
水循環システムの個別化を目指す小規模分散型高度水処理プロセスの開発
Project/Area Number |
05558073
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二村 修 (株)荏原総合研究所, チームリーダー
長岡 裕 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (90207986)
大垣 真一郎 東京大学, 工学部, 教授 (20005549)
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Keywords | 小規模処理 / 高度水処理 / 膜分離 / リン除去 / 膜分離活性汚泥法 / MSB / カラム法 / 中空糸膜 |
Research Abstract |
本年度は、それぞれの分担で前年度に引き続き実験的検討を発展させた。山本は、前年度の研究成果を踏まえ、膜分離浄化槽ーリン除去カラムからなる基本システムを組み、実廃水を用いたパイロットスケールの実験を行い、浄水汚泥を用いた3段直列のリン除去カラムの有効性を示した。また、鉄廃材と軽量発砲コンクリート廃材の組み合わせについても実験を行った結果、浄水汚泥よりは劣るが、それぞれ単独で使用するより複合材料として賜与する方が良いことを示した。大垣は、紫外線消毒を用いた排水再生利用システムに際して必要となる基礎データ、特に光回復について実験室規模の実験を行った結果、E.Coli B株では光回復は殆ど起こらないこと、最大光回復量は光回復光の線量率に影響を受けないこと等を示し、小規模処理としての紫外線消毒の有効性についての判断材料を提示した。また、生物活性炭-精密濾過システムの性能を実験的に評価した。長岡は、中空糸膜モジュール及び平膜モジュールを用いて、浸漬型膜分離活性汚泥法に適したモジュール形態及び運転条件について検討を行い、膜面が気泡によく接触し、流れの中で揺動するようなモジュール形状及び設置方法が適切であることを示した。また間欠運転サイクルは、運転休止時間比が重要であり、サイクルの周期はあまり影響しないことを示した。二村は、中空糸膜分離活性汚泥法の実処理プラントの運転実績を積み上げ、膜モジュール付近での最低平均流速が20cm/s程度であれば膜間閉塞が防止できることを示した。また、膜間閉塞を防止する空気量について、連続濾過では空気フラックス比を1800以下にする必要があることを示した。以上まとめて、システムの設計標準の指針を得ると共に、ライフサイクルエネルギー分析を行い、個別循環再生利用システムは人口密度の低い地域では、十分適用可能であることを示した。
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[Publications] 島崎大,山本和夫,大垣真一郎他: "カラム処理における上水汚泥、鉄廃材などのリン除去特性" 土木学会年次学術講演概要集. II-B. 1020-1021 (1994)
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[Publications] 鹿島田浩二,山本和夫,大垣真一郎他: "紫外線照射水処理における光回復の評価" 水環境学会誌. 18. 44-50 (1995)
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[Publications] 新井一仁,長岡裕他: "膜分離活性汚泥法におけるモジュール形状および吸引条件の評価" 水環境学会誌. (掲載予定). (1995)
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[Publications] 石上尚,長岡裕他: "水平設置型カ-テン状中空糸膜モジュールによる実下水処理実験" 第31回環境工学研究フォーラム講演集. 61-63 (1994)
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[Publications] 二村,大西,荻野: "中空糸膜分離活性汚泥法のエアレーションに関する研究" 第31回下水道研究発表会講演集. 554-556 (1994)
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[Publications] Futamura,O. & Onishi,K.: "Integrated Membrane Filtration Activated Sludge Wastewater Treatment System" Proc.of the Int.Symp.on Fiber Sci. & Tech.,Yokohama. 26-28 (1994)