1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05558106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 一憲 東京大学, 医学部(医), 助教授 (30181035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 信也 東京大学, 医学部(医), 助手 (90193979)
上妻 志郎 東京大学, 医学部(医), 助手 (30143457)
岡井 崇 東京大学, 医学部(医), 助教授 (40126016)
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Keywords | 人工子宮 |
Research Abstract |
母体および胎盤から独立した個体としての胎児固有の生理を研究する実験モデル作成を当面の目標に、超未熟ヒト新生児救命を将来の目的に、水槽と膜型人工肺を用いた装置で、帝王切開により取り出した未熟ヤギ胎仔を水中で肺呼吸させずに保育する人工子宮の開発を行なっている。 脱血は臍帯動脈から、送血は臍帯静脈から行なった。脱血側の回路圧を一定とし、臍帯動脈から胎児の心臓によって押し出される血液量に応じて人工肺の流量を調整することでは、概ね1週間程度の保育が可能であった。しかし、胎動などの因子により、急激な動脈圧上昇がみられた場合、脱血量が急激に上昇して胎児の体内循環血液量が減少して、循環動態を悪化させてしまう。そこで、脱血の血液量をほぼ一定にするように、脱血側回路圧を電気的に高速に調整する加圧装置を試作した。加圧には圧縮空気を用い、調圧弁を高速にコントロールすることで、胎児の急激な血圧変動にも追従できる。 脱血側回路の圧を一定にするように脱血量を調節するほうがよいのか、脱血量を一定にするように脱血側回路の圧を調整したほうがよいのかの結論は、次年度以降の検討課題となったが、この際、胎動などの因子により、急激な動脈圧上昇がみられた場合、生理的には胎盤をかなり大きな容量性のバッファとみなすか否かという問題が重要になった。そのため、ヤギ胎仔における体内と体外(胎盤)との血液量の分配比の生理的変動を知る必要がでてきた。このため、今後の研究計画の中に、カテーテルを子宮内胎仔に挿入した慢性実験の項目を追加することとした。
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