1993 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖を表面に配する生分解性微粒子の標的指向性薬物担体としての応用
Project/Area Number |
05558108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 厚 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40190566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 敏宏 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (30101207)
渡辺 恵史 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40231013)
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Keywords | 糖鎖 / 生分解高分子 / 微粒子 / 薬物担体 / 標的投与 |
Research Abstract |
表面に糖鎖を配する生分解性高分子微粒子の調製:生分解性微粒子表面に糖鎖を導入する手法として、糖鎖を配する両親媒性高分子を乳化剤として微粒子を調製する手法を開発した。この手法は、粒子表面に化学修飾することなく糖鎖を固定できるため、生分解性高分子のような分解しやすい微粒子表面にも糖鎖を容易に導入できる利点がある。糖鎖が微粒子表面に存在することは、糖鎖と特異的に結合するレクチンによる微粒子の凝集試験により確認された。また導入された糖鎖の表面密度は、3-5糖鎖/nm^2であり、極めて高密度で糖鎖が表面に存在することが確認された。一方、微粒子上の糖鎖密度は、両親媒性糖質高分子とその類似体を適宜混合することにより、調整することが可能であった。微粒子の粒子系は、調製時の両親媒性高分子濃度を調製することにより、100nm〜500nmの範囲で制御できることが明らかになった。 糖鎖を配した微粒子と細胞との相互作用解析:微粒子表面の糖鎖密度およびその分布状態が細胞による認識に与える影響について詳しく解析した。このために、ガラクトース残基を有する微粒子とガラクトース結合性レセプターを発現している肝実質細胞との相互作用を微粒子の結合性および内在化特性に着目し評価した。その結果微粒子の結合性は、特定の糖鎖密度を有する微粒子で最大となるのに対し、内在化は密度の増加につれ単純増加することが明らかにされた。つまり、微粒子の細胞への結合性と内在化速度を、糖鎖密度を制御することにより独立して調製できることがわかった。さらに、表面糖鎖の分布状態を制御した微粒子を用い解析を進めた結果、糖鎖の表面分布状態とりわけガラクトース残基の集合が、肝細胞への結合性を著しく高めることが明らかとなった。さらに、内在化を高めるためには、微粒子表面と多数のレセプターが相互作用することが必要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Maruyama: "Preparation of Nanoparticles Bearing High Density of Carbohydrate Chains Using Carbohydrate Carrying Polymers as an Emulsifier" Biomaterials. (Accepted).
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[Publications] N.Adachi: "Cellular Distribution of Polymer Particles Bearing Various Densities of Carbohydrate Ligands" J.Biomater.Sci.,Polym.Ed.(Accepted).
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[Publications] H.Hatanaka: "Synthesis of a New Polymer Containing a Blood-Group Antigenic Oligosaccharide Chain" Macromolecules. 26. 1483-1486 (1993)
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[Publications] H.Hatanaka: "Attempt to Control Sequence of Branched Polysaccharide with Enzymatic Hydrolysis and/or Copolymerization" Polym.J.25. 373-378 (1993)