1993 Fiscal Year Annual Research Report
DNAをアフィニティーリガンドとするバイオセンサの開発
Project/Area Number |
05558114
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 助教授 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 幸二 九州大学, 教養部, 助教授 (10180324)
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Keywords | DNA / アフィニティー / バイオセンサ / インターカレータ / グルーブバインダー / キナクリン / アクリジンオレンジ / ポリタミン |
Research Abstract |
本研究では、DNA固定化電極を用いたバイオアフィニティーセンサの開発を目的とする。遺伝子やDNA結合性薬剤の計測が可能であることを実証し、加えて薬剤アナログの系統的評価や潜在的変異原物質のサーベイにもこのセンサが有用であることを明かにする。初年度はDNA固定化電極の開発を目的に、3種類の方法を独立に検討したが、以下の手法が最も簡便で再現性の良いことが明かとなった。すなわち、DNA二重らせんの末端に高分子反応によってチオール基を導入し、金一硫黄配位結合を介して金電極上に固定した。チオール基の導入率の決定、固定化反応のFTIR・水晶発振子マイクロバランスによる検討、などより、再現性の良い固定化法を確立することが出来た。 また、予備的な検討から既に、抗マラリア剤であるキナクリンの高感度検出が可能であることを示していたが、今年度の研究ではDNA結合性色素であるアクリジンオレンジについてもその検出定量が可能であることが明かとなった。また、これらインターカレータだけでなく、グルーブバインダーとして知られるスペルミジンやスペルミン、すなわちDNA結合性の生体内物質ポリアミンにも、同センサが応答を示すことが確かめられた。このように、本研究課題で目指しているバイオアフィニティーセンサの一般性を証明することが出来た。次年度は、DNA修飾電極のバイオアフィニティーセンサならびに遺伝子センサへの応用を展開し、同センサの実用化に向けて研究の総括を行う。
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[Publications] Mizuo Maeda: "Semi-Synthetic Macromolecular Conjugates for Biomimetic Sensors" ACS Symposium Series. (印刷中). (1994)
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[Publications] 前田 瑞夫: "DNAを用いるバイオセンサの開発" 日本臨床. 51. 2769-2777 (1993)
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[Publications] Mizuo Maeda: "Modification of DNA with pdy(N-isopropy Lacry Lamide)for Thermally Induced Affinity Separation" Reactive Polym.21. 27-35 (1993)
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[Publications] Koji Nakano: "Surface Modification of Au Electrode with Double-stranded DNA for Application to DNA-related Bioaffinity Sensor" Proceedings Volume of Electrochemical Society,Inc.93(11). 423-434 (1993)