1993 Fiscal Year Annual Research Report
表面微細構造を制御した高分子吸着体を用いる細胞の高純度連続分離システムの開発
Project/Area Number |
05558118
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
片岡 一則 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (00130245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
似鳥 嘉昭 旭化成工業株式会社, ライフサイエンス基礎研究所, 副参事
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (90198309)
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Keywords | 高分子吸着体 / 細胞分離 / 作用場流動分画法 / リンパ球 / 静電相互作用 / ポリアミン / グラフト共重合体 / ミクロドメイン構造 |
Research Abstract |
本試験研究においては、細胞と高分子材料間の静電相互作用を精密にコントロールすることによって、B、T細胞間の実用的な分離のみならず、さらには、T細胞の機能的亜群間の高純度分離をも達成可能な新規高分子吸着体の構造設計とその実用的な性能評価を推進した。平成5年度は、表面微細構造(ミクロドメイン構造)を制御した高分子材料の合成を推進し、合成ができたものから順次細胞分離実験を高分子の構造との相関に着目しつつ行なった。 (1)ミクロドメイン構造を有する高分子の合成 ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルシラン)と種々のジアミン類との重付加反応にもとづいて、構造と分子量の制御された末端官能性のアミンオリゴマーを合成した。これよりマクロマー法、異種連鎖とのカップリング法を用いて、ポリアミンをセグメントとして有するグラフトあるいはブロック共重合体を合成した。また、得られた共重合体にハロゲン化アルキルを反応させることによって、一部のアミノ基を四級アンモニウム基に変換し、固定電荷を導入した。 (2)FFF/吸着クロマトグラフィーによるリンパ球分離特性の評価 二枚の平板からなるリボン状チャンバー(厚み:250mum)を作製し、その底面に(1)で合成した高分子材料をコーティングし、その細胞分離特性を評価した。特に今年度は、細胞のチャンバー内での静置時間、流速、溶液組成、pH、温度等の諸条件を変化させてチャンバーからのリンパ球回収率、亜集団分布との関連を調べ、最適分離条件の設定を行なった。これにより、流速をステップ状に上昇させることによって、吸着力の弱い細胞から順次回収する“連続分離操作"の条件を決定した。 (3)実用的な連続細胞分離システムの設計と性能評価 実用上の使用を想定し、大量分取性、取り扱いやすさなどを考慮したシステムの構築について検討し次年度の本格評価に備えた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Kikuchi,T.Tsuruta,K.kataoka: "Effect of composition and graft‐chain morphology of poly(2-hydroxyethyl methacrylate)‐graft‐polyamine copolymers on the retention of rat lymphocyte subpopulations(B and T cells)" J.Biomater.Sci.,Polym.Ed.(in press).
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[Publications] K.Kataoka: "Clinical Application of Leukocyte Depletion" Blackwell Scientific Pub., 239 (1993)
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[Publications] 片岡一則: "ニューマテリアルハンドブック" 昭晃堂, 744 (1993)