1994 Fiscal Year Annual Research Report
表面微細構造を制御した高分子吸着体を用いる細胞の高純度連続分離システムの開発
Project/Area Number |
05558118
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 一則 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (00130245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
似鳥 嘉昭 旭化成工業(株), ライフサイエンス総合研究所, 副参事
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (90198309)
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Keywords | 細胞分離 / リンパ球 / クロマトグラフィー / 作用場流動分画法 / ポリアミン / グラフト共重合体 / 静電相互作用 / 多相系高分子材料 |
Research Abstract |
本試験研究においては、細胞と高分子材料間の静電相互作用を精密にコントロールすることによって、リンパ球の二大亜集団であるB、T細胞間の実用的な分離のみならず、さらには、T細胞の機能的亜群(ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞等)間の分離をも達成可能な新規高分子吸着体の構造設計とその性能評価を推進した。特に、この様な吸着体の細胞分離特性を最大限に発揮させるために、細胞吸着クロマトグラフィーと作用場流動分画法(FFF)とを複合させた新しい方法を考案し、吸着体表面に対する吸着力と分離用チャンバー内のせん断応力とのバランスという新原理に立脚した分離システムの実現をはかった。 平成6年度は、昨年度の検討により良好な性能を示した材料を中心に分離実験を行なった。また、その結果を材料合成にフィードバックし、最適構造を有する吸着体の設計を推進した。 (1)T細胞亜群の分離特性評価:昨年度の検討から決定された最適分離条件において、T細胞亜群(ヘルパーT細胞、サブレッサーT細胞)の分離特性評価を行なった。特にポリアミンセグメントの分子量、四級化率などの因子を系統的に変化させた材料について評価を展開し、T細胞亜群の分離に有望な吸着体構造を決定した。 (2)分離特性の優れた吸着体用高分子材料の合成:上記(1)の評価に用いる高分子を合成して供給するとともに、より優れた性能を発揮し得る吸着体構造を予測し、その合成法の確立を行なった。 (3)連続的細胞分離システムの構築:上記(1)、(2)の結果を総合的に検討して、目的に応じた最適の吸着体とシステムを決定し、装置の試作を行なった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Kikuchi,T.Tsuruta,K.Kataoka: "Effefect of environmental parameters and composotion of poly(2-hydroxycthyl methacrylate)-graft-polyamine copolyemrs on the retention of rat lymphocyte subpopulations(B and T cells)" J.Biomater.Sci.,Polym.Ed.5(6). 569-590 (1994)
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[Publications] Y.Nagasaki,E.Honzawa,M.Kato,K.Kataoka,T.Tsuruta: "Novel stimuli-sensitive telechelic oligomers-pH and temperature sensitivities of poly(sil-amine)oligomers" Macromolecules. 27(17). 4848-4850 (1994)
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[Publications] 平光、田中晶子、片岡一則、鶴田禎二、林正男: "ポリアミングラフト共重合体表面における血管内皮細胞の接着、増殖活性の解析" 人工臓器. 23(3). 695-599 (1994)
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[Publications] 平光、片岡一則、鶴田禎二、林正男: "ポリアミングラフト共重合体表面における血管内皮細胞の接着、増殖挙動とその血清タンパク質の影響" 人工臓器. (in press).