1993 Fiscal Year Annual Research Report
配偶者選択行動の進化と認知的メカニズム-インドクジャクとヒトの比較を通じて
Project/Area Number |
05610057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 寿一 東京大学, 教養学部, 助教授 (30172894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 真理子 専修大学, 法学部, 助教授 (00164830)
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Keywords | 性選択 / 雌の選好性 / 寄生虫耐性 / クジャク / ヒトの装飾 |
Research Abstract |
(クジャク)本年度はまず調査地の選定作業を開始し、多摩動物公園、大島動物園、伊豆シャボテン公園を査察した。これらのうち、クジャクが自然状態に近い状態で飼育され、個体数が多く、飼育担当者の協力を得られるシャボテン公園を調査地として選定した。ついで、園担当者と協力して個体識別作業のためのカラー足環の装着を開始し、現在も継続中である。クジャクは予想以上に警戒心が強く、1994年2月末の時点で足環装着個体は約10羽にとどまっている。なおこれらの個体については、捕獲時に体重、翼長などの生体計測も行なった。雄による求愛行動が本格化する3月からは、行動観察をスタートする。雄については、雄間競争、なわばり範囲の測定、ディスプレイ率、交尾成功率等を記録する。また、上尾筒の発達状態を目玉模様の数に注目して記録するとともに、寄生虫耐性を調べるために、フン中の線虫卵数もカウントする。雌については、個体追跡法により、配偶者選好行動を観察し、雄の諸形質との相関を調査する。これらの作業は、5月まで続けられる予定である。 (人間)装飾の性差について文化間の差異を検討するための文献研究を行った。男女平等型の社会では、資源分配の男女差が大きな社会よりも装飾の性による分化が小さい傾向があるようなので、より体系的に資料を収集する作業を継続中である。
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[Publications] 長谷川 寿一: "動物行動学からみたルール" 体育の科学. 44. 91-95 (1994)
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[Publications] Mariko Hiraiwa-Hasegawa: "Skewed Birth Sex Ratio in Primates:Should High-rankin Mothers Have Daughteis or Sons?" Trends in Ecology & Evolution. 8. 385-422 (1993)