1993 Fiscal Year Annual Research Report
開眼手術後における視運動系による歩行活動の発生・成立過程に関する実験心理学的研究
Project/Area Number |
05610078
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 正晴 弘前学院大学, 文学部, 助教授 (60178663)
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Keywords | 先天盲 / 開眼手術 / 視覚の発達 / 歩行活動 / 視覚と触覚 / 遠方視機能 / 深みの知覚 |
Research Abstract |
2人の開眼受術者ToMとKaMについて歩行活動ならびにそれを支える下位機能の形成実験を行った。 I.開眼受術者ToMについて (1)眼による“深みの知覚"が成立していないために、歩行の際、下がり階段の発見が困難であった。駅や公園において下り階段を発見するためにどのような手がかりを抽出するかについてデータを集積した。 (2)視方向に変えて同一対象を等距離に提示すると、その対応率は方向によつて同一ではなかった。実験日による変化の様子を追跡した。 (3)普段歩いている場所で視覚による遠方対象の把握が可能になると、その場所の構造把握に一定の変化が現れてくる。 (4)遠方対象を捉えるときの眼球運動をEOG法によって測定した。対象の提示距離を遠方にすると不随意的な眼球運動が現れてくる。 II.開眼受術者KaMについて (1)2つの対象の“遠近の知覚"は、対象の提示距離によってその知覚様相が変化する。 (2)歩行の際、場所によって視覚あるいは視覚のいずれかに依拠する。
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[Publications] 佐々木正晴: "視覚世界の生成-先天性白内障手術後における歩行活動と遠方視機能-" 感覚代行シンポジウム論文集. 19. 39-48 (1993)
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[Publications] 葉石光一: "視覚世界の生成-開眼手術後におけるNystagmusの諸相-" 感覚代行シンポジウム論文集. 19. 49-60 (1993)
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[Publications] 佐々木正晴: "先天性白内障手術前後における視運動系と触運動系の活動(1)" 基礎心理学研究. 12. 85-97 (1994)