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1993 Fiscal Year Annual Research Report

生物学的知識の獲得における概念的変化

Research Project

Project/Area Number 05610095
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

稲垣 佳世子  千葉大学, 教育学部, 教授 (90090290)

Keywords素朴生物学 / 生気論的因果 / 身体機能の説明 / 生物学的知識
Research Abstract

幼児の持つ素朴生物学を構成している重要な要素とされる生気論的因果の特徴を明らかにすることを目的として実験を行なった。実験1では、生気論的因果を構成する要素の一つとしての身体臓器に行為主体的性格を付与する側面に焦点をあて、幼稚園の幼児に対する個別面接で、「〜は、〜しますか?」という形で、心臓と胃の臓器に、行為主体的性格以外に、人間の持つ属性をどのようなものを付与するかを調べた。その結果、人間の持つ属性のすべてをこれらの臓器に付与するわけではなく、少なくともコミュニケーション能力や否定的な願望(働くのがいやだ)は付与せず、しかし感情などは付与するといった選択性があることが明らかにされた。
実験2においては、生気論的因果による説明を幼児がどの程度自発的に言語的に構成できるかを検討するために、5〜6歳の幼児に対して半構造化された質問による面接で、摂食、血液循環、呼吸などの機能の説明を求めた。一般に日本語の日常語では主語が省略される傾向があり、特に幼児にその傾向が強いため、明示的に胃、心臓、肺などの臓器を主語にしてその活動による説明を行なうことは見られなかったが、臓器が主語になり、その活動によって説明しているとみられる発言が少数ではあるが見いだされた。摂食により活力など力を得ること、この活力は、病気にかかりにくくしたり、けがを早く直す力をもっているとする説明になるとかなり多くの幼児に見られ、その意味で生気論的因果を構成するもう一つの重要な要素である“活力(力)"のやりとりに関する興味深い説明の例が見いだされた。さらに血液や尿などに行為主体的性格(agency)を持たせ、血液循環による生の営みや排尿などの現象を説明しようとする、新たなケースも見いだされた。

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Published: 1995-02-08   Modified: 2016-04-21  

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