1994 Fiscal Year Annual Research Report
Cherished Possessionsの適応機能に関する臨床社会心理学的研究
Project/Area Number |
05610106
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Research Institution | KWANSEI GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤原 武弘 関西学院大学, 社会学部, 教授 (20033706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 次郎 名古屋市立大学, 教養部, 講師 (20226731)
田中 共子 広島大学, 留学生センター, 助手 (40227153)
西村 良二 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10122722)
南 博文 九州大学, 教育学部, 助教授 (20192362)
堀 忠雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (10020132)
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Keywords | Cherished Possessions / 適応 |
Research Abstract |
Cherished Possessions とは、個人にとって重要な所有物を意味し、拡大自我の一部とも考えられる。本研究は、環境移行事態への適応過程の中で Cherished Possessions がどのような意味や機能を果たすのかについて、主に質問紙調査法により明らかにした。大学生ならびに小学生を対象として Cherished Possessions の意味と機能に関する基礎的研究を行ない、その研究成果は日本グループダイナミック学会中国四国心理学会にて発表した。新たに得られた知見は、Cherished Possessions を「何かを行なうための道具、身体によって操作する」Action Object(AO)と「熟考の対象として意味を持つもの」としてのContemplation Object(CO)に分けた場合に男性はAOが多く、女性にはAOとCOに差が無く、また Cherished Possessions の意味としては、AOは有用性、COは思い出としての意味があることが明らかになった。更に在日留学生を対象とした調査は既に実施済みで、現在のところで得られた知見は留学生の場合には本(辞書、雑誌)、衣類、パスポート、カード、金といった有用性に関係したAOが多いという特徴が見られる。 こうした結果から Cherished Possessionsの適応機能は主に有用性や道具性の側面に限定されるようである。今後の課題としては、Cherished Possessions の定義と測定については問題はないが、適応過程をどのように定義し、測定するのかについて若干の問題点がある。
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