1993 Fiscal Year Annual Research Report
子どもにおける超越的存在イメージに関する発達および臨床心理学的研究-小学生から大学生まで-
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05610121
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
村瀬 嘉代子 大正大学, 人間学部, 教授 (70174290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 桂子 カウンセリング研究所, 相談員
最上 澄枝 カウンセリング研究所, 相談員
佐藤 隆一 カウンセリング研究所, 相談員
伊藤 研一 大正大学, 人間学部, 助教授 (60184652)
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Keywords | よりどころ / 家族 / 発達 / 自我境界 |
Research Abstract |
見えない存在についての調査、つまり心の支えとなっているものは何かの調査で、その発達的様相と自我境界に関して、男子と女子の間に有意な差がみられた。 男子については、小3のころは、「家族」および「家族」に端を発していると思われる「自分」を心の支えにしている。発達に伴い、その傾向とあいまって、「友人」の比重がましていく。又見えない存在について、「神仏」より「霊」、その意味として、「肯定的」より「中立・否定」の反応が増えている。このことは、「神仏」のイメージは家族からの自立を志向する際の葛藤あるいは緊張関係をその背後に推測できる。 一方、女子においては、小3のこと「家族」が圧倒的に心の支えとして選ばれ、その傾向は徐々に弱まり「友人」が増加していく。男子と異なり、中3の一時期「自分」が増すのみで、その他は、あまり大きな割合を占めない。このことから、男子においては、男からの自立が、自己を親とは別の存在として作りあげていく傾向が強いのに対して、女子の場合は(相対的ではあるが)親との関係は比較的友好に保ちながら、友人関係の中で、自分の位置づけを確かなものにする方向へと移行していくものと考えられる。
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