Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 ひさ子 佛教大学, 心理クリニックセンター, 臨床心理士 (10247801)
河崎 佳子 佛教大学, 心理クリニックセンター, 臨床心理士 (70234119)
山上 雅子 佛教大学, 心理クリニックセンター, 臨床心理士 (70182417)
江口 法子 佛教大学, 心理クリニックセンター, 主任臨床心理士 (20105662)
鵜飼 信行 佛教大学, 教育学部, 教授 (20027973)
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Research Abstract |
老人の心理特性を明らかにした上で,老人の自己実現過程を援助するための心理療法技法を確率することが,本研究の目的である。 この目的を実現するための方法として,平成5年度は,老人一般を対象に心理テストを含めた実態調査を実施し,性格傾向と心理的不適応との関連を調査してきた。具体的には,60歳以上の老人100名(60歳代前半・後半・70歳代前半・後半・80歳以上,男女各10名ずつ)を被検者として,心理テストと個別インタヴューを実施した。「教えてください,あなたの生き方」というキャッチフレーズのもとに,原則として,自発的協力による被検者が募られた。心理テストには,投影検査(バウム・テスト)と質問紙(YG性格検査)を用い,〈こころの実態に関する調査〉と題する,生育歴,家族歴,現在の経済的・心理的・身体的状況,満足度や要望などに関する独自の調査表を作成した。検査ならびに調査はすべて,個別面接の形態で施行された。 これらの結果に基づき,まず,YG性格検査のデータをコンピュータ入力し統計処理するとともに,〈こころの実態に関する調査〉の結果を質問項目別に整理し,その傾向について検討した。現在は,年代別,男女別に詳細な比較検討を行なっている段階になるが,本調査の協力者に見られた全般的な特徴としては,心身共に比較的健康な状態にあり,経済的にも安定し,対人関係においても恵まれた環境のもとに生活する老人が多いということは言えるだろう。 また,バウム・テストについては,12月末に特別講師(青木健二氏)を招いた研究会において,老人のバウム(樹木画)にみられる特徴について,他の発達段階との比較,老年期内における年代差,男女差などについて検討した。
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