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1993 Fiscal Year Annual Research Report

「部落産業」における労働主体の現状と生活史

Research Project

Project/Area Number 05610136
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

八木 正  大阪市立大学, 文学部, 教授 (80022101)

Keywordsと畜解体労働 / 食肉産業 / 食肉文化 / 部落差別 / 職業差別
Research Abstract

〔研究経過〕(1)「と畜」解体の作業現場の見学は、大阪市南港市場、東京都芝浦食肉市場、大阪府松原市食肉公社、横浜市食肉市場において行い、その作業工程の基本を理解することができた。(2)全芝浦屠場労組、大阪市南港市場職組、全横浜屠場労組において、自治体との関係における「と場」労働の歴史的経過、「と場」と地域社会との関係、「と畜」労働に対する差別事例と闘争経過などについて学習した。(3)高知県中村市において、きびしい部落差別の中で「と畜」食肉産業が自治体によって奪われて行った経過について知ることができた。(4)徳島市で開催された「第11回全国と場食肉市場労働者交流会」へのオブザーバー参加を許され、「と場」労働の労働条件と問題点について認識を深めることができた。(5)文献・資料の収集および研究会などへの参加により、日本の食肉文化の歴史と部落差別との関係について理論的に考察する手がかりを得た。
〔研究成果〕(1)当初計画以上の地域の事業所を訪問して現業労働者たちと接する中で、多くの教示を得ると共に、信頼関係を結ぶきっかけを得たのは、何よりの収穫であった。
(2)予想通り当初の研究目的に直ちに入ることには無理のあることがわかり、その前段の解明作業として、当面は「食肉産業における雇用形態と就労状況」に焦点を絞ることを余儀なくされた。しかし各地域における食肉産業の雇用形態と労働実態にはかなりの多様性のあることが判明したので、この問題を追求することに十分な積極的意義があることを確認できた。(3)部落差別と食肉産業労働との深刻な関連性について、地方や地域の歴史的事情によって様々なケースの存在すること、またそれにより自治体や企業の関わり方に大きな違いが生じていることを認識した。(4)部落差別克服のひとつの重要な手立てとして、日本における食肉文化の歴史を再評価する必要があるこを学習した。

URL: 

Published: 1995-03-23   Modified: 2016-04-21  

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