「伝統消費型都市」における「地域住民組織」と「住民自治」に関する実証的研究

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05610171
• Research Institution: Shigakukan University
• Principal Investigator: 西村 雄郎 鹿児島女子大学, 文学部, 助教授 (50164588)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西田 芳正 大阪府立大学, 社会福祉学部, 講師 (10254450)
• Keywords: 伝統消費型都市 / 地域住民組織 / 地域住民活動 / 札幌市 / 金沢市 / 広島市 / 町内会・自治会の都市間比較調査

Research Abstract

1.昨年度、本研究においては、「伝統消費型都市」の地域住民組織、活動を比較対照するために札幌市、金沢市、広島市を選定し、各都市の都市行政機関と町内会を代表とする「地域住民組織」との関係、そのもとで繰り広げられてきた地域住民自治活動について、歴史的資料の収集、検討を行なうとともに、各都市の行政担当者から「地域住民組織」の現状について聴き取り調査をおこなった。
2.さらに、地域住民自治活動の実態を把握するために「地域住民組織」の組織や活動についての質問を主たる内容とする「町内会・自治会の都市間比較調査」票を作成し、札幌市と金沢市の町内会長を対象としたアンケート調査をおこなった。
3.本年度はこれに加えて同じ調査票を用いて広島市の町内会長を対象とした郵送調査をおこない、札幌市、金沢市のデータと合わせて、分析作業をおこなった。
4.これに加えて前年度おこなった資料収集や行政担当者に対する聴取り調査を継続するとともに、各都市の単位町内会長を対象とした聴取り調査を本年度は新たにおこなった。
5.そこで見いだされたことは、(1),調査対象とした各都市の歴史的発展過程が異なるため行政機関と「地域住民自治組織」のかわわり方に各都市ごとに大きな違いがみられること、(2),この結果現在の「地域住民自治活動」のあり方にも違いみられること、(3),しかし、町内会長調査の結果をみるとその活動の内容が同一化されつつあることがわかった。
6.しかし、町内会長を対象とした質問紙調査のデータ量が膨大なため各都市の都市特性に応じた分析が十分に進まず、現在これらの分析を行っている。