1994 Fiscal Year Annual Research Report
国定教科書使用実態の研究-明治・大正期地方教育界と国定教科書-
Project/Area Number |
05610191
|
Research Institution | GIFU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
梶山 雅史 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60066347)
|
Keywords | 国定教科書 / 教科書使用実態 / 地方教育界 |
Research Abstract |
1.岐阜県における事例研究の継続作業として、その成果の一部をとりまとめ『岐阜大学教育学部研究報告=人文科学=』第43巻第1号、第2号に投稿した。 (1)明治37年(1904)段階、武儀郡教育会、加茂郡教育会、羽島郡教育会、益田郡教育会、武芸郡教育会等の動きに照明をあて、国定教科書使用に際して、教授細目の編成、実地授業と批評会の設定状況、さらに日露戦争期、戦時教育を説く教育会雑誌の論調ならびに戦時教材編纂に取り組み始めた地方教育会の動向を明らかにした。 (2)明治38年(1905)4月以降、国定国語教科書の全学年使用となり、教員組織による教科書研究・授業研究が推進され始めた様相、郡視学会議の動向、さらに教育会雑誌にあらわれた教科書論議について考察を加えた。国定教科書使用準備が教育会単位で取り組まれ、拠点校の有力教員達に担われて新国定教科書へのマニュアルが作成されていく経緯を明らかにした。 愛知県における事例研究の推進 (1)愛知県教育センター所蔵『雑誌 愛知教育』を調査し、研究推進上、基本資料としてマイクロフィルム化し、国定教科書関係記事、論説の悉皆検索企図して、事項、内容のカード作成作業をすすめつつある。明治37年から大正期、国定教科書第一期、第二期の期間について作業を終えた。 (2)「愛知県教育史」編纂事業にともなう新たな教育史資料のなかで、師範学校附属小学校研究会の内容、さらに愛知教育会が開催した種々の教員講習会に注目し、そこでおこなわれた諸教科の講義ならびに実技講習等の詳細を明らかにした。
|