1993 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける政治教育の現職教育と授業展開に関する事例研究
Project/Area Number |
05610196
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
的場 正美 名古屋大学, 教育学部, 助教授 (40142286)
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Keywords | ドイツの政治教育 / 現職教育 / 授業分析 / 指導要領 / カリキュラム |
Research Abstract |
1・ノルトライン・ヴェストファーレン邦は、1973年に新しい統合教科である「政治」という教科の指導要領を公布し、全ての中等教育段階に「政治」科を導入した。この導入に対応して、同邦の教授学習センターは、3種類の現職教育の構想を開発し、実施に移した。その3種類の構想の1つの構想は、同邦の文部省が指導要領の公布と同時に公刊した授業計画資料にもとづいて、教師が追実施する形式である。第2の構想は、受講者の興味や必要を基礎にした構想で、受講者の授業実践の経験をもとに構想されている。第3の構想の内容については次年度に明らかにしたい。 2・政治教育のための現職教育は、邦立カリキュラム開発、現職教育、継続教育センター(Landesinsititut fuer Crriculumentwicklung,Leherfortbildung und Weiterbildung)などの機関で1974年から1982年に集中的になされたが、1983年以降は、政府の教育の重点が変化し、おこなわれていない。しかし、ドイツ政治教育連盟が唯一現在も政治教育に関するワークショップを開催している。 3・政治教育の分野で授業実践に現職教育がどのような影響を与えているかという研究は、現在のドイツではなされていない。申請者は、ノルトライン・ヴェトファーレン邦における政治教育の授業をVTR録画し、その言語記録を作成したので、その記録にもとづいて教師にアンケート調査することで、現職教育の授業への影響を明らかにできるのではないかという見通しを得ている。
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