1994 Fiscal Year Annual Research Report
現代アメリカ中等教育改革の批判的検討-中等教育システムの構造変容を中心に-
Project/Area Number |
05610199
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
江原 武一 京都大学, 教育学部, 教授 (00012568)
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Keywords | 中等教育改革 / 中等教育システム / パネル調査 / アメリカの教育 |
Research Abstract |
今年度は、1アメリカ中等教育システムの社会的・教育的効果に関する統計的解析[2]、2「NLS調査」と「高校生将来調査」の比較分析の、2つのサブ・テーマを並行して研究を進めた。 第1のサブテーマについては、「NLS調査」(高校3年生対象;基準年データ(1972年)および第1回から第5回までの追跡調査データ(1973、74、76、79、86年);22,652サンプル)の再解析により、(1)高校生活の組織的特性と教育的効果との関連にみられる不整合、(2)中等教育と高等教育の接続の問題、(3)中等・高等教育システムと労働市場との関連について体系的に明らかにすることを試みた。 第2のサブテーマについては、「NLS調査」により、1986年現在で32歳の高校卒業者の高校生活および高校卒業後の進路状況を、また「高校生将来調査」により、1986年現在で24歳の高校卒業者の高校生活および高校卒業後の進路状況を追跡することができるが、この2つの調査の比較分析と歴史的・比較的な文献研究の成果をふまえて、現代アメリカ中等教育システムの構造的問題点とその変容過程を整理し、改革の方向性を探ることを試みた。 なお平成5年度〜平成6年度文部省科学研究費補助金研究成果報告書として、『現代アメリカ中等教育改革の批判的検討』を刊行した。この報告書の目次は1章アメリカ中等教育の歴史的展開、2章教育機会の平等をもとめて、3章アメリカの高校生の価値観、4章中等教育の多様化と文化接触、5章中等教育と高等教育の接続、6章大学生は変わったか、7章転機に立つアメリカの中等教育である。
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