1994 Fiscal Year Annual Research Report
教師の資質能力としての児童・生徒の問題行動に対する指導力量の構造と形成過程
Project/Area Number |
05610212
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Research Institution | EHIME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
南本 長穂 愛媛大学, 教育学部, 教授 (60108371)
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Keywords | 教師の発達 / 教授方略 / 教師行動 / 教師生徒関係 / 教師社会化 / 現職教育 / 教師教育 / 生徒問題 |
Research Abstract |
教師の生徒指導能力に関して、学校現場で生起している各種の問題行動に対する教師の指導行動、指導意識の典型的なパターンにみられる特徴を把握する目的で、まず、教師の実践的な行動や意識に関する内外の著書、論文、資料等の分析を進めた。特に、授業中の諸場面と授業外の諸場面とで、教師の児童・生徒への対処に、教師の年齢段階による差異が見いだされるのではないかという知見を見いだして、これを本研究の作業仮説として設定することができた。 この作業仮説をもとに、小・中学校の現場の授業等の観察を試みながら、2つの調査を実施した。第1に、教師による児童・生徒の問題対処への状況理解を明らかにするために、愛媛県と香川県の小学校教師と中学校教師を対象として(合計1600名)、郵送法による調査を実施した。教師の子供理解能力の内実や程度の差異が、授業場面と授業外の場面において、教師の生徒指導能力の差異を生み出しているという特徴を明らかにした。この結果から、第2に、生徒指導能力で高いと考えられる小・中学校の生徒指導主事(主任)の子供理解能力の現状及び問題行動への対処の様式やパターンを明らかにすることによって、その指導力量の構造と典型的なその形成過程を探ろうとした。なお、この調査は四国4県の小・中学校における生徒指導主事(主任)を対象(合計1600名)に郵送法で実施した。とくに、生徒指導主事自らの児童・生徒の問題行動への対処に関する自己認識・評価だけでなく、勤務校における教師の問題対処の現状把握・理解に対する他者評価を加味して検討している。現在、調査結果の整理中であり、早い時期に文書化を予定している。
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