1994 Fiscal Year Annual Research Report
古代インディオ文明における育児習俗と教育-アステカ社会を中心に-
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05610239
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Research Institution | National Institute for Educational Reseaarch |
Principal Investigator |
斉藤 泰雄 国立教育研究所, 国際研究・協力部, 主任研究官 (30132690)
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Keywords | インディオ / アステカ文明 / 教育 / 先スペイン期 / メキシコ |
Research Abstract |
本研究は、古代インディオ文明における教育の思想、育児習俗、制度について紹介するとともに、現代の教育学的観点からみたその特色を考察することを目的とする。14、15世紀世紀にメキシコ中央部にアステカ王国とよばれる広大な地域を支配したアステカ族は、その首都テノチティトラン(現在のメキシコ市)を中心に、高度な都市文明を築き上げており、また、かなり高度に組織化された独特な教育の制度をもっていた。こうした土着の教育の伝統と制度は、スペイン人による征服、植民地化の過程のなかで破壊されたが、その当時の育児習俗や教育の様子を書き記したさまざまな文献資料が残されており、それらを基にして、約五百年前の先スペイン期のアステカ族の教育の実像を再構成することが可能になっている。具体的には、次のような研究作業を行なった。 1.アステカ文明に関する文献(英語、スペイン語、邦語)約40点を収集し、整理した。 2.その成果の一部を、教育史学会第37回大会において「先スペイン期インディオ文明の教育史的研究の可能性」の題で口頭発表をおこなった。 3.アステカ族の伝統的な教育制度と征服・植民後にスペイン人が展開した対インディオの教育事業の連続性と断絶という観点の分析を中心にして論文「ラテンアメリカ教育史の原像」を執筆した。 メキシコで編集された『先スペイン期アステカ族の教育関係史料集』(主に16世紀初頭の征服直後に、この文明に直接的に接したスペイン人たちが書き留めた記録類からインディオの教育習俗や制度に関する記述の部分をひろいだし集成したもの)を基礎テスキストとして、その主要部分を翻訳紹介した成果報告書を作成した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 斉藤泰雄: "ラテンアメリカ教育史の原像" 国立教育研究所 研究集録. 第28号. 33-45 (1994)
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[Publications] 斉藤泰雄: "古代インディオ文明における育児習俗と教育" 国立教育研究所, 116 (1995)