1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05610274
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安藤 保 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (60136827)
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Keywords | 江戸時代 / 御手伝普請 / 濃勢尾三川治水 / 宝暦治水 / 薩摩藩 / 薩摩義士 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来、伝承などにより薩摩「義士」として美化することに意が注がれていた宝暦3年〜5年の木曽川等の御手伝普請の実態を、厳密な史資料の検討により明らかにすることにより、藩財政の実態および多数の死者を出す背景となっている薩摩藩の教育・士風と関連づけて明らかにすることにある。 研究の初年度としての本年度は、次年度以降の研究を発展させるための基礎作りを、以下の通り行った。 1.マイクロフイルム撮影機および簡易製本機の購入 携帯用マイクロフイルム撮影機(ヒラカワ-35)は、多量の史料収集には必須のものであり、これを購入することにより、本年度から原史料の収集が可能となり、次年度以降も史料収集に威力を発揮することが期待できる。また、撮影したフイルム焼付の整理、コピー類の整理に簡易製本機(とじた君M型)を有効に使用しており、研究推進の環境が整った。 2.史資料の収集の状況 岐阜県立歴史資料館所蔵の笠松陣屋文書の収集を行ない、基本史料をフイルムに収めた。主要な史料は、「元禄元年より五十ケ年御普請明細取調一件」・「御手伝御普請御用留」・「御用留」等であり、これらは焼付などにより利用できる状態にある。但し、岐阜県立歴史資料館所蔵の関係史料の収集は、今年度末終了のため、次年度も継続して収集にあたる。また、鹿児島では利用することが困難であった「木曽川用水史」・「木曽三川の治水史を語る」・「海津町史」・「大垣市史」等の宝暦治水関係の基本図書も収集した。
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