1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05610274
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Research Institution | Kagoshima university |
Principal Investigator |
安藤 保 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (60136827)
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Keywords | 薩摩藩 / 宝暦治水 / 高木家文書 / 基礎史料収集 |
Research Abstract |
平成5年度から行ってきた岐阜県立歴史資料館への史料収集は、今年度の2回にわたる補充調査により宝暦治水関係の基本的史料の収集は一応終わり、今後の研究のための基礎資料を入手することができた。宝暦治水関係の資料は、岐阜県立歴史資料館所蔵文書の外、名古屋大学古川総合研究資料館所蔵の高木家文書も重要なものである。この史料については、伊藤忠士・伊藤孝幸の両氏が史料紹介を続けているが、翻刻された史料はまだ限定されており、今後この史料の収集を急がなければならないと考えている。 資史料収集に力を注いだために、収集した資史料の分析・発表は遅れているが、今年度は、薩摩藩の宝暦治水研究の前史に該当する部分についての史料翻刻に向けて作業を行っている。宝暦治水に至るまでの該地域の農民の治水への関わりを明確にすることにより、初めて宝暦治水の時の農民の幕府への要求・薩摩藩お手伝い衆等への態度などの意味を理解しうると考える。紀要などへの発表は平成8年度になるが、本研究の報告書には、原稿の形態で示す予定である。 薩摩藩側の史料は、出水市の史料を調査したが、本研究に資する史料はないことが明確になった。しかし、吹上町中央公民館所蔵の伊作御仮屋文書・宮之城町山崎郷御仮屋文書・蒲生町の蒲生郷御仮屋文書などの史料に断片的に見られる関係文書の整理も進行中である。
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