1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05610329
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新納 泉 岡山大学, 文学部, 助教授 (20172611)
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Keywords | 終末期古墳 / 吉備 / 発掘調査 / 定北古墳 / 定東塚・西塚古墳 |
Research Abstract |
1 本研究の成果の一部である、岡山県上房郡北房町定北古墳の発掘調査報告書を刊行し、関係機関・研究者に配布した。吉備地域の終末期古墳の研究における基準資料を提示することができた。 2 定北古墳に続いて定東塚・西塚古墳について発掘調査をおこなっており、出土遺物の整理等を進めた。定東塚古墳の出土遺物の整理はほぼ終了した。その結果、定東塚古墳-定西塚古墳-定北古墳-大谷1号墳という終末期古墳の系列が明らかになり、すべての古墳について年代を示す資料が出土しているという、全国的にも珍しい例となった。 3 GIS(地理情報システム)を用いた古墳の分布と地形の立体表示について、岡山家清音村三因古墳群の例を用いて試験的に画像を作成し、インターネット上で公表した。分布調査の成果をGISと結合させるという方向で、技術的な問題はほぼ解決できたが、分布調査自体は一部の実施にとどまっている。 4 畿内の終末期古墳の編年について、横穴式石室、横口式石槨、家形石棺などの編年的検討をおこない、全体に年代を古くすべきであるという新たな見解を導きだし、結果を公表した。 5 終末期古墳の年代を古くすることと関係して、6世紀代の古墳の編年を再検討する必要が生じ、新たな編年案の大枠を作成したが、成果の公表にはしばらくの時間を要する予定である。
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