宋代の説話と伝承の研究

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05610370
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 岡本 不二明 岡山大学, 文学部, 助教授 (70152353)
• Keywords: 夷堅志 / 洪邁 / 文言小説 / 説話伝承 / 故事 / 宋代筆記 / 杭州

Research Abstract

『夷堅志』の説話記事の地域性や“場"について分析を進めるため、記事提供者のリストを作成して整理している。前年度(平成5年度)については、『夷堅志』甲志20巻に出る提供者を網羅して、『岡山大学文学部紀要』第21号(1994.7)に発表した。本年度(平成6年度)についても同じく『紀要』第23号(1995.7予定)に発表予定である。『夷堅志』のボリュームは膨大であり今後も引き続き鋭意リスト作成を行なう。説話と地域性という観点からは、宋代より少し遡上するが唐末の小説「無双伝」について分析し一定の成果が得られた。この副次的な研究成果は『中国古典小説研究動態』最終号(1994.6)に発表した。
また南宋の寄席で語られていたらしい話本のテキスト「陳巡検梅嶺夫妻記」についても、主として宋代筆記小説などに載せられた故事に照らしつつ、その成立過程を推定し考察することができた。その成果は『宋代史研究会研究報告第5集“宋代の国家と地域社会"』(1995.9刊行予定、汲古書院)に、発売予定である。

Research Products

• [Publications] 岡本不二明: "『夷堅志』二十巻の成立過程について" 岡山大学文学部紀要. 第21号. 43-52 (1994)
• [Publications] 岡本不二明: "『夷堅志』甲志二十巻の成立過程について" 岡山大学文学部紀要. 第23号(7月刊行予定). (1995)
• [Publications] 岡本不二明: "宋代史研究会研究報告第5集“宋代の国家と地域社会"" 宋代話本「陳巡検梅嶺夫妻記」の再検討(9月刊行予定,汲古書院), (1995)