1994 Fiscal Year Annual Research Report
叙述に関する統語的・意味的研究-二次的叙述を中心に
Project/Area Number |
05610386
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
池内 正幸 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (20105381)
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Keywords | 結果構文 / 極小主義理論 / 連鎖の同質性 / 合法的LF構成物 / 修飾 / 制御 / 最小句構造理論 / 長距離wh移動 |
Research Abstract |
極小主義理論における連鎖の同質性と合法的LF構成物の理論は、統率と束縛理論の枠組みにおいて提案された三項分析及び複合動詞分析(cf.“English Resultative Constructions and Wh-movement")に基づく空範疇原理によっては十分な説明がつかなかった結果構文の二次述語の長距離摘出の現象に対して、全く異なる観点からの説明を可能とする。連鎖形成によって形成される結果の述語に対する連鎖は、連鎖の末尾が[+L,+θ]であるので非同質的である。故に、^*標示による違反中間痕跡t^*は削除され、LFには残らない。この点で付加詞等が形成する同質連鎖とは異なることになり、従って正しく空範疇原理違反ほどではない下接の条件違反のみを惹起することになる。 日本語の二次述語の構造的特性は英語の二次述語のそれに極めて類似している。それらの統語的特性は、θ役割付与、叙述、修飾、そして、制御に関する一般的な原理によって説明される。中でも、二次述語の中のPROの先行詞決定に参与する「制御」の原理と相互c統御によって定義される「修飾」という概念が興味深い。特に、後者は二次的叙述を特徴付けるものであると考えられる。すなわち、二次述語は、述語として機能するだけではなく、修飾語としても機能するということである。なお、この分析は極小主義理論の枠組みにおいて可能となるものである。
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