1995 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ処理による現代英語の格標識に関する計量的研究
Project/Area Number |
05610387
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
天野 政千代 名古屋大学, 文学部, 助教授 (80116524)
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Keywords | 隣接性条件 / 指定辞・主要部 / 主要部・補部 / 姉妹条件 / 構造格 / 内在格 / 格照合理論 / 格素性 |
Research Abstract |
今年度の目標は、原理・パラメター接近法や最小主義プログラムで提案されている格理論を、これまで収集した資料に基づいて評価することであった。そうした最近の理論では、格標示の基本的構造関係が指定辞・主要部関係のみであると言われている。しかし、収集した資料を厳密に検討するならば、それは明らかに誤りであり、主要部・補部関係もそこに含めなくてはならない。主要部・補部関係は恣意的に出てくる構造関係ではなく、主題理論においてもどのみち必要とされるものであり、その関係を格理論に導入しても、理論全体が複雑化されることはないであろう。この結論を導き出すに当たって特に注目したのが、現代英語の二重目的語構文であり、この構文では二つの目的語に構造格が二重に付与されていると言わざるを得ない。そうすると、構造格付与には指定辞・主要部関係以外に主要部・補部関係も必要という結論になる。このように仮定するならば、現代英語における多数の事実を説明することが可能になり、それは現代英語のように屈折語尾がほとんどない言語にも、抽象的なレベルでは格標識が存在することを意味している。これは本研究全体に関わる内容を含んでおり、格標識が顕在的統語論では存在しなくても陰在的統語論では存在し得ることになる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 天野政千代: "補文構造と繰り上げ" 英文法への誘い. 247-263 (1995)
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[Publications] 天野政千代: "The Sisterhood Condition on Case-Marking in English" Linguistics and Philology. 15. 1-22 (1995)
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[Publications] 天野政千代: "英語の格に関する通時的・共時的研究(7)" 名古屋大学文学部研究論集. 42. 89-112 (1996)