1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05610389
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 光規 大阪大学, 言語文化部, 教授 (60034584)
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Keywords | 英語分詞構文 / エリザベス朝散文英語 / コンピュータ利用 / コーパス言語学 / Philip Sidney |
Research Abstract |
平成3-4年度に行ったThomas Nashe,Thomas DeloneyおよびJohn Lylyの英語の分析に続いて、平成5年度は、Philip-Sidney:Arcadia(Feuillerat's edition,The First Booke,pp.1-51)を取りあげた。具体的な作業としては、先ずOCRで作品を読み取らせ、テキスト加工のために自作した各種ソフトを用いて、本研究の目的に適した形のコーパスを作製した。(The Second Booke,pp.87-128もほぼ完成させた。)当初の予定では、次にそのコーパスに現れる分詞構文分析に必要な個々の用例のデータを、約80項目に紋ってコンピュータに入力し、様々な検索を通して、Sidneyの作品における分詞構文および関連構文の使用状況の調査を完了することになっていたが、用例の正確な分析に必要なコンテクストの解釈に予想外に時間を要したため作業が遅れ、この報告書作成時点で約半分まで進んだところである。作製中のデータベースを用いて様々な検索を試験的に行った結果、分詞構文の現れ方と散文の(談話)構造との間に興味深い関連が存在する可能性があることが判明したが、現段階では断定出来ない。来年度の作業で結論を出したい。 この研究の目的の一つは、コンピュータに専門的な知識のない英語研究者にも自力ですべての作業が行えるような形で、以上のような調査をパソコンを用いて出来るだけ能率よく行うための方法を探ることである。そのため、テキスト加工用にエディタ(Mifes)の簡易プログラム言語(Mil)を用いて、昨年度までに作成した多数のプログラムを大幅に改良した。 また、来年度の作業ではヘルシンキコーパスを使用して多様なジャンルの散文の調査を行う予定であるので、その準備としてOCPによるヘルシンキコーパスの試験的な分析を試みた。
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