1993 Fiscal Year Annual Research Report
異なる行政機関相互間の情報の授受に関する法律学的研究
Project/Area Number |
05620013
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
磯村 篤範 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70192490)
|
Keywords | 行政共助 / 情報共助 / 行政組織法 |
Research Abstract |
今年度は、行政機関相互間で実際に行われている如何なる情報の授受に関する実態調査を行った。実態調査では、都道府県の、実際に決裁権限が集中しているといわれている、課長職を対象に、行政機関相互間の情報の授受に関する手続や情報提供の依頼もしくは提供を行うか否かの判断基準、問題点などに関し、アンケート調査を行った。決裁権限が課長職に集中している傾向は、事務決裁規程を入手することができた自治体の権限分配の状況からも、うかがうことができた。 種々の条件を勘案し、関西の6府県に調査対象を限定し、関西6府県の約500の全課長職に対し、調査票を送付した。回答率は概ね5割近くとなり、この種の調査方式では極めて高い回答率を得ることができた。このことは、情報公開条例の制定と並んで個人情報保護条例の制定が検討されつつあるなど、自治体のこの種の問題に対する関心の高さを、一定程度反映したものと思われる。 同時に、一部職員に対し、聞き取り調査等を行ったが、情報の授受に関連して今回のアンケート調査においても調査対象事項とした行政機関相互間の合議に関し、ほとんどの回答者から、それぞれの自治体でより広い関係機関との間で合議を行うようになっているということであり、又、一部自治体では、事務決裁規定上、決裁権限が部長職以上に付与されている一方、各課長職に付与されている決裁権限行使に当たっての情報収集などに関する事務が、係官によって事実上行われているなど、なお、今後のより詳細な調査によって明らかにされるべき問題点も多い。 この実態調査に関しては、現在、回答結果を統計処理用に入力中であり、可及的速やかに、回答分析結果をしかるべきかたちで、公表する予定である。
|