1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05620034
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井上 英夫 金沢大学, 法学部, 教授 (40114011)
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Keywords | 障害者 / 障害をもつ人 / 参政権 / 政治参加 / 選挙権 / 投票権 |
Research Abstract |
1 実態把握 5年度は、全国各地の障害をもつ人々の政治参加の実態について、障害を持つ人本人、家族、施設職員、養護学校職員等からの聞き取りを中心に調査した。とくに、全日本聾唖連盟、全国手話通訳研究会等の集会にも参加し、実態の把握に努めた。その結果、各地で様々な参政権保障の為の取り組みがなされていることを知見できたが、重い知的障害や精神障害をもつ人々の実態が全く解明されていないことが判明した。 養護学校の教員ですら、これらの人々には候補者識別能力がなく投票は無理だというような意識を持っているような状況であることも明らかになった。 2 障害をもつアメリカ人の法(ADA)についての検討 1990年ADA法について、障害をもつ人々の運動とりわけIndependent Living Movementが法制定の大きな力になっていることを知り得た。 3 選挙「改革」の検討 政治改革とりわけ選挙制度改革が障害をもつ人々の参政権に与える影響を検討し、「改革」の結果ますます参政権の行使に大きな困難が生じることが明らかになった。 4 6年度の課題 以上を踏まえ、6年度には、日野市をはじめとする自治体の全「障害者」を対象とした、参政権の実態調査を行うつもりである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 井上英夫: "参政権の意義と現状" みんなのねがい. 307. 82-87 (1994)
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[Publications] 井上英夫: "障害をもつ人々と参政権" 法律文化社, 400 (1993)