1993 Fiscal Year Annual Research Report
世界経済の統合と分裂の分析-世界経済の安定と発展の視点から-
Project/Area Number |
05630026
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
池間 誠 一橋大学, 経済学部, 教授 (40002993)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 城太 一橋大学, 経済学部, 講師
|
Keywords | リージョナリズム / グローバリズム / 経済統合 |
Research Abstract |
平成5年度は、経済統合の分析を主に行った。特に、経済統合の理論的分析の一部が池間誠により「地域経済統合の理論」という論文にまとめられ、『Outlook』に発表された。 この論文は、リージョナリズムとグローバリズムのかかわりに新たな一視点を投じ、また、地域経済統合への始発要因の1つを指摘すると同時に、どのような国の間で経済統合が行われるかを示唆するもので、研究目的のうち、1)経済統合を分析するための理論モデルの構築、2)経済統合が域内国と域外国へ及ぼす影響の分析、3)経済統合がリージョナリズムとグローバリズムの展開にどうかかわるのかの分析、に沿ったものである。特に、自由貿易地域の形成が他国の経済厚生を犠性にすることなくある国の経済厚生を高めうることが示されている。 来年度は経済統合に加えて、経済分裂の分析も行う計画であるが、経済分裂の分析の出発点の1つとして、「国際生産特化パターンの確定-多数国多数財ケース-」という論文が池間誠により『一橋論叢』に発表された。従来の国際貿易の分析では、2国・2財モデルが中心であったが、この論文では多数国多数財モデルを扱う。この論文の貢献は、生産特化パターンがどのように決まるかを簡単に図解で見い出す方法を提示している点にある。この論文は経済分裂に直接かかるものではないが、経済分裂が起った場合にどのように生産パターンが決定されるかを示唆しているものとして解釈できる。
|
Research Products
(2 results)