1994 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本形成期と国家と農民に関する政治経済史的研究
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05630050
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
庄司 俊作 同志社大学, 人文科学研究所, 教授 (70130309)
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Keywords | 戦後日本 / 55年体制 / 食糧政策 / 農地政策 / 農業協同組合 / 事前売渡申込制 / 高度経済成長 / 農政運動 |
Research Abstract |
1.茨城県玉川農協、京都府美山町農協、愛知県安城市農協について、元・現組合長等からヒアリングを行なうなど調査を実施した。とくに、美山町に関しては、くらしと協同の研究所(京都市)の研究会に加わり、農家女性に対するアンケートを行なった。 2.新潟県大潟町ナショナルカントリー(稲作法人組織)の発展過程について、調査を行なった。経営の法人化という点で時代を先取りし、また模範的な経営とされる同組織が地域社会や家族とどう関わって発展してきたか、あるいその担い手はどのような性格を持ち、家族経営の矛盾をどのように克服しようとしているかを歴史的に解明しようとするものである。 3.日本社会党と農民・農村との関わり、また必ずしも戦後保守党の支持基盤とならなかった一群の農協の性格、そして特に青年層に注目しながら全国農業協同組合中央会の戦後農政運動の展開に関して、ヒアリングおよび関連資料の収集を行なった。 4.食糧管理制度、戦後農協の確立を中心として「日本農業新聞」・「新潟日報」等の新聞記事、雑誌記事、行政資料の収集を行なった。 5.「家族農業経営と女性」をまとめ、女性問題に着目しながら、戦後の農業政策を跡づけ、現在それがいかなる問題点を抱えているかを解明した。 6.農業総合研究所の定例研究会に招かれ、「日本の近現代と国家・農村・農民」と題する報告を行ない、日本が近代化を開始して以来現在までの農業・農村の展開過程を概観し、日本農業・農村の戦後史、その起点と終わりについて検討を加えた。この報告については早急に活字化を図る予定である。 7.昨年度同様政治家や官僚からのヒアリングを十分に行なえなかった点が反省点として残る。またこれまで2年間に行なったヒアリングに関しては、何らかの方法で成果として公表することを考えたい。
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