1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05630077
|
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
大西 勝明 専修大学, 商学部, 教授 (40083654)
|
Keywords | 国際競争力 / IC / 日米半導体協定 / 国際的戦略提携 / ダウンサイジング / NISCチップ / ASIC / ソフトウエア |
Research Abstract |
本研究は、1990年代に突入し、これまで日本経済を主導してきた電子メーカーが、国内的、国際的に大きく活動形態を変容させている実態を解明しようとするものである。電子メーカーは、どの国でも戦略的位置が与えられているがダウンサイジングに代表されるような再編成に直面し、深刻な不況下で国際的な共同開発、国際的戦略提携等を本格化している。また、円高下で国内の地域展開や海外進出も大きく変化している。加えて、アメリカ・メーカーの再生があり、国際的シェア競争にも変化が認められる。 このような電子メーカーの動態を解明するために、実態調査、ヒヤリング調査の実施と統計、立献収集を軸とした研究を推進してきた。特に、本年度は、設備備品であるパソコンの設置と大分県(東芝、日本TI)と福島県(富士通、松下電器)での2回にわたる合計6工場の工場視察を行なった。2回の工場視察によって、次の事項を確認してきた。 第一は、半導体メーカーが、相対的に良好ではあるが、それでも論理回路分野でのアメリカの先行と不況に見舞われ、厳しい対応を迫まられていることである。 第二に、関連して、先進国とNIESにはさまれ、新たな局面打開策が緊急な課題となっている。たとえば、日本TIでは、標準品は東南アジアで生産し、付加価値の高い論理回路は、ダラスの本社近くの新工場で生産することになり、日本での生産に自信がなくなっている。 第三に、上記のようなこともあり、日本半導体メーカーは、これまでのようにメモリー生産に特化するだけにとどまらず、多様な生産展開が求められていることがある。 以上が、今年度の工場調査において確認してきたことの骨子である。
|