1993 Fiscal Year Annual Research Report
日本・アメリカ・ドイツにおける開発設計段階の原価管理システムの国際比較・分析
Project/Area Number |
05630087
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 雅康 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50084447)
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Keywords | 製品開発プロセス / 開発管理システム / 原価管理システム |
Research Abstract |
本研究は1991年に日本とアメリカの自動車メーカーおよび自動車部品メーカーを対象とした製品開発管理システムに関する予備調査の成果を踏まえ、日本、アメリカ、ドイツの三ヵ国で新製品の開発過程における管理システムの異同を調査し、比較分析するものである。 三ヵ国の主要企業に対し同一の設問を設けて回答を得る方法で調査した。調査対象は1991年と同様に自動車メーカーおよび自動車部品メーカーであり、各刻の当該業界における代表的企業に限定した。その理由は各業界におけるベスト・プラクティスを探求し、その国際比較に主眼をおいたからである。 日本企業に対する調査は自ら行ったが、アメリカとドイツの企業へはアーサー・アンダーセン・コンサルティング(株)の協力を得て、質問表の発送・回収を行った。現段階での有効回答数は、自動車メーカーでは日本4社、アメリカ3社、ドイツ4社の計11社であり、部品メーカーでは日本23社、アメリカ23社、ドイツでは協力が得られず、日米のみで計82社である。 調査内容は製品開発プロセス、開発管理システムと組織、製品企画の進め方、詳細設計と試作品の評価、原価管理の進め方等に関するものである。 現在はこの回答について集計過程にあるが、概ね、次のようなことがわかった。日本のメーカー(自動車と部品メーカーいずれも)はアメリカやドイツのメーカーと比較して、どの設問事項についても競争優位にあるといえる。これは開発管理の体質がすぐれていることを意味するが、昨今よりいわれている米国製造業の復活の事実と符合しない。この理由は円高・ドル安の傾向、日米の国内景気動向、日米の雇用慣行の違いなどに起因していると思われるが、より根本的なことを探ってみなければならない。 なお、本研究の途中過程については本年度の会計学会や経営工学会(春季大会)で発表する予定である。
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